こんにちは。虚海と申します。苫小牧にも珍しく雪が降りました。朝起きたらちょっとガッカリ… 雪かき面倒なんですよね(笑)。それでもまあ頑張りました。昨日寝て疲れもかなり取れましたし、おかげで将棋クエスト10分切れ負けでは過去最高レートを記録することができました。もしかしたら、もうすぐこちらのほうが早く初段になれちゃうかもしれませんね♪ それにしても、クエストは別にレートが下がっても平気なのに、ウォーズはダメなんですよねえ。今年も「ウォーズ10分切れ負け指せない病」が治らないままかもしれません。実力が十分足りていたとしても、これでは絶対にウォーズ初段になれません。
さて、今日は「虚海の棋書レビュー」。一昨日読み終わった棋書についてレビューを書きたいと思います。今回はこれ。
はい、マイナビ出版から出ている、石川泰先生の「とっておきの速度計算」という本です。知名度はあまり高くないかな? 石川先生をご存知の方は多いと思いますが、以前中飛車の棋書を書かれていて、それがすごく良かったです。奨励会三段で退会されて、今は指導や普及に力を注がれている方です。
この本の特色
この本は、最終盤の速度計算がテーマの本で、
・詰めろのかけ方
・手抜いた場合の速度計算
・自玉の受けを考慮した速度計算
・相手の受けを考慮した速度計算
・攻防手・Z・玉頭戦
の5章から成っています。それぞれの章で、「3〜4ページ程度の講義→10〜20問の問題」という構成になっております。肝心の問題の解説も少なくて1ページ、多くて3ページにも及んでいます。まずは詰めろのかけ方からスタートして、順を追って自然と速度計算が身につくように意図されています。
また、最終章では速度をひっくり返す攻防手、一時的に速度計算が不要になるZ、玉頭付近に厚みを作ることが大切な玉頭戦についてまとめて解説と問題が出題されています。
難易度について
私はウォーズ1級ですが、私から見て難易度は高いと感じます。1章の詰めろのかけ方・2章の一直線に攻め合った場合の速度計算は私にもだいたいできました。3章からはこちらと相手の詰み筋を読んで手数を数えて次の一手を考える必要があるのでそれなりに難しくなってきます。
そして、4章は激ムズ。まず相手の最善の受けを考えて、それからこちらの次の一手〜数手を考えるのですが、とにかく難しいんです。まず、問題によって解答が2手の場合も10手の場合もあるわけなんですね。それなら、解答が10手だったら問題に10手って書いてほしいです。そうでないと10手答えられません。
また、相手の受けの最善を考えるだけでも難しいですし、そこから自分の最善手を考えるのですから、ウォーズ1級にはまず無理です。しかも10手も先のことなんて(当然分岐も複数ある)わかんないです。この本は対象が有段者なのでしょうし、高段者でないと理解することは難しいかもしれません。
おすすめ度
級位者には無理だとほぼ断言できます。いや、断言は言い過ぎかな? でも、私には(特に第4章は)全然理解できませんでした。高段者の方には…どうなんでしょう? 私が高段者でないからわかりませんが、もしかしたらいい本である可能性はあると思います。なんにせよ、自分のレベルに合わなくて、とても苦痛な時間でした。棋書を選ぶ時は慎重にならなければならないと改めて思った次第です…。本そのものをディスるわけではないので、そこは誤解のないようにお願いできたらと思います。