寄せが見える本【基礎編】 | 虚海の千年の学び

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私こと虚海の将棋の勉強を中心に、お仕事のこと、競馬やゲームなどの趣味のこと、ファイターズのことなどを書いていきたいと思います。

おはようございます。虚海と申します。昨日の夜、某所から帰って来ました。とうとう私の職場でもコロナが出てしまいました。幸い誰も濃厚接触者ではなかったのですが、昨日は仕事の後で事務所の除菌作業に追われました。といっても、みんなでやったので15分もかかりませんでしたけど(笑)。感染者は月曜日から熱でお休みしていたので、職場のコロナ菌ももう死んでるでしょうから、除菌作業の意味は全くないと思うんですけどね。本当に効率的じゃないなあ…。規定だから仕方ないとは思うんですけどね。ばかばかしい話。

 

さて、土曜日は「虚海の棋書レビュー」ですね。今週から3週は必至の本を書きたいと思います。必至ってとても大事ですよね。私は最近1手必至と3手必至の本を解いていますけど、1手必至は大体できますけど3手必至はほとんどできません。パターンみたいなものが無いというか掴めないというか…目指す形がわからないのが大きいのかもしれません。でも頻出の形はあるわけで、まずはそういう形を身に付けることが大切だと思います。

 

今日ご案内するのはこの本です。

 

 

はい、森九段の著作の「寄せが見える本【基礎編】」です。浅川書房の最強将棋レクチャーブックスの記念すべき第一作目ですね。2004年に出た本なので新しいとは言えませんが、そもそも終盤に新しいも古いもありませんから(笑)、何の問題もありません。いや、この本はオススメですよ。

  この本はどんな本?

「寄せが見える本」というタイトルですが、ここで言われている「寄せ」とは終盤の序盤~中盤の話ではなく、囲いを崩した状態から、さあどうやって必至をかけるかということです。問題数は計55問、復習問題24問の計79問。少ないと思われる方も多いかと思いますが、この問題の少なさこそがこの本の最大の特徴かつ特長になっています。

 

問題が少ない分、解説は大変充実しています。この解説の量こそがこの本の最大の素晴らしいところで、ほとんどの問題で2ページ、多ければ4~5ページも1問の解説に使われています。よくある間違えとそれに対する相手の受け方、正解に至る考え方、正解からの詰み筋までしっかりと説明してくれているんですね。本当に親切でわかりやすいと思います。復習問題は解説が1問半ページですが十分ですね。出題順は1~数問で1パターンを学ぶような形で、それほど系統だっているわけではありません。

  「寄せの手筋200」とは何か違うの?

この本とよく比較されるのが金子タカシ先生の「寄せの手筋200」です。こちらは問題数が200問ある代わりに解説は1問半ページと比較上少ないです(一般的な量ですね)。だし、問題がパターン別に分類されているので系統的に勉強できるという大きなメリットがあります。前述の通り、「寄せが見える本」は2~3問同系統の問題が続くこともあるとはいえ基本的にはパターン別とではないので、その部分は違いますね。どちらがいいというわけでなく、目指すところが違うというのが私個人の感想です。解説が詳しくて理解が容易な分、初めて必至に取り組むのなら「寄せが見える本」からスタートして、完璧になったら(問題数が多くないので完璧にもできる)「寄せの手筋200」に進むのがいいと思います。というか鉄板のルートだと思います。

  どんな人にオススメ?

オススメは必至を初めて学ぶ人や、じっくり必至の力を付けたい級位者ならもう迷うことはありません。すぐ買って下さい(笑)。ただし、筆者独特の言い回しがイラっとくる人もいるかもしれません。実際、私のTwitterのフォロワーさんでも怒っていらっしゃった方もいましたので。私個人は全く気にならないんだけど、おおらかな気持ちで読んでくださると嬉しいです。また、一字一句飛ばさないで読まれることをお勧めしたいと思います。答えだけ見て、合ってたらすっ飛ばして次の問題にいってしまうと効果が半減ですし、本が泣いています(笑)。ちゃんと全部読めば、必至のみならず受けの手筋や詰みの手筋まで学ぶことができますよ。

 

有段者やある程度必至を学ばれた方なら、いきなり「寄せの手筋200」のほうがいいかもしれません。