こんばんは。虚海と申します。今週はえらい目にあいました。日曜日に降ったらしい大雪が記録的な大雪で、札幌も一気に交通がマヒ。そして商品を仕分けする江別の仕分けセンターもJRが止まってしまって従業員が出社できない事態になり、配達スケジュールがグチャグチャに。私も今週は土曜日まで出勤で、毎日残業もひどくてすっかり疲れ果ててしまいました。しかも、お休みは明日だけ。もうね、明日はなんとか疲労を取って、具体的にはたくさん楽しいことをして、お買い物もたくさんして、おいしいものも食べて、一気に英気を養う構えです。馬券もビシッと当てます! 予想にも注目していただきたいと思います。
さて、今日は土曜日なので、棋書レビューの日ですね。先週は「寄せが見える本【基礎編】」でした。今週は流れからもこの本でしょうか(笑)。
はい、森けい二先生の「寄せが見える本【応用編】」になりますね。これももう古い本ですが、先週も書きましたが寄せには新しいも古いもありませんからね。今でも十分過ぎるくらい勉強になる本だと思います。
この本の特徴は?
一言でいうと、この本は「寄せが見える本【基礎編】」の続編にあたる本ですが、難易度は桁外れに上がります。まず内容からご案内しますと、第1章は「中段玉の寄せ方」がテーマです。部分図になっていまして、入玉目指して進出してきた相手玉に必至をかける方法を学べます。【基礎編】でもそうでしたが、相手は盤上とこちらの持ち駒以外のすべての駒を持ち駒にしていて、いくら駒を渡してもいいから相手玉を即詰みにするか必至をかけないとこちらの負けという設定になっています。ここまでは【基礎編】の続編という感じで、難易度的にはほとんど変わりません。級位者でも十分理解できますし、相変わらずの森先生の名調子(読者によっては迷調子とも…)でこれでもかというくらいの親切丁寧な解説が書いています。しっかり読めば理解しやすいと思います。
問題は第2章と第3章で、一気にレベルが跳ね上がります。具体的には、ここから唐突に全体図になります。したがって、まず自玉の安全度を考え、どの駒を渡しても大丈夫かをチェックし、そのうえで必至をかけるという流れになります。もちろん相手の持ち駒も計算に入れなければなりません。必至をかけてもそれで終わりではなく、相手が王手ラッシュで来た時に適切に受け切ることまでできて初めて正解となります。
この本だけの特徴は?
本書のウリはこの第2章と第3章で、とにかく必死をかけさえすればいいという単なる必至問題集ではなく、自分と相手の兼ね合いや終盤のアヤについても学ぶことができます。問題数こそ少ないのですが最終盤の実戦的なトレーニングができることが他の本との最大の違いになっています。何度も書きますが、大量かつくどいくらい丁寧な解説をきちんと読めば、しっかり理解できることと思います。読者のレベルによっては、もしかしたら盤駒があったほうが理解しやすいかもしれません。とはいえ、いきなり正解するのは級位者には至難の業だと思います。私?もちろんできませんでしたよ(笑)。
どんな人にオススメ?
第1章だけなら級位者でも全然できます。むしろ【基礎編】を身に付けたらとりあえず第一章だけはやっておいたほうがいいかもしれません。第2・3章は初段以上が対象かなという気がします。ただし、級位者の私でも解説を読みながら繰り返し反復したら理解できないこともなかったので、全問正解とかは忘れてじっくり解説を読み込めば級位者にも大いに参考になると思いますね。難しいけど同じような本は珍しいですし、実はお勧め度は結構高い本です。