こんばんは。半人半鬼の虚海と申します。ブログを書く時にこの書き出しで書こうと決めているのですが、半人半鬼ってよくわかりませんね(笑)。比喩的な書き方しかできないのですが、私は一度死んだ身でして。前世の私はそれこそ鬼みたいな人間だったのですね。一度死んで生まれ変わって今の身になったのですが、ふとした時に前世の鬼が現れてしまいそうになるのです。だから、半人半鬼。討鬼伝極の虚海ちゃんとはちょっと設定が違うのです(笑)。
さて、そんな虚海の棋書レビュー。第4回になるんですね。私が読み終わった本でなければ書かないというルールがあるので、どうしても更新ペースが遅くなりますが、雑に取り組むつもりは有りませんし。仕方ない仕方ない。本日はこちらの本になります。
はい、創元社から出ている将棋パワーアップシリーズの1冊、高橋道雄先生の「3手詰将棋」です。初心者(私もだけど)の方にご案内しますと、詰将棋にはいろいろなシリーズがあるのですが、2大ブランドは浦野先生の「ハンドブックシリーズ」と高橋先生のシリーズになるんですね。
この2つのシリーズの大きな違いは、高橋先生のシリーズは「囲いを崩しかかった状態から詰ませてください」というのが特徴になります。それに対して、ハンドブックシリーズは「それほど駒数も多くなく、きれいな詰め筋を身に付けやすい」ことが特徴になるのでしょうか。
そんなわけで、この本は囲いを崩した状態からスタートするので、駒数はハンドブックシリーズに比べて多いです。いかにも実戦でも出てきそうな形が多いので、実際の終盤戦のような臨場感がありますね。これは大きな長所となるでしょう。楽しいですしね。また、ベタベタ駒を打っていくだけみたいな一見筋の悪い問題もあります。実戦では美しい手筋よりもこういう詰ませ方も多いので、そういう意味でも実戦的なのかもしれません。
ただし、3手詰めの意義を考えると、この形がベストなのかは微妙です。そもそも詰将棋は「詰み筋を暗記する」と「読みの力を鍛える」ということが目的になります(主観です)。3手詰めに関しては、前者がより重要な目的になりますので、駒数が多くてゴチャゴチャしているものより、シンプルな図式のほうがベターなのではないでしょうか。
問題の特徴なのですが、すごく両王手が多い(笑)。ハンドブックに比べて何倍も両王手が出てきます。これは、上記のような実戦型で3手詰めという設定による制約があるのかなあと思います。問題が悪いというわけではないので為念。
まとめると、この本よりも3手詰ハンドブックのほうがいいというのが個人的な感想です。取り組むとしても、3手詰ハンドブックが終わってから、それでもまだ3手詰めを解きたい場合に手を出せばいいんじゃないかな。その場合、棋力の向上にのために、もちろん無駄には絶対にならないでしょう。ただ、この本をスキップして5手詰めに進んでも全然いいとも思います。
うーん、あんまり褒めてなくてごめんなさい。オススメ度はBかな。