できないところはゆっくり練習して、てよく言われますよね。
でも、ちゃんとゆっくりやったのに全然良くならない・・なんてことも、あるあるなんじゃないでしょうか。
それはなぜかというと、たぶん、
ただゆっくり弾いただけだからです。
「ゆっくり弾く」のと、「ゆっくり練習」はまったく別の事柄です。
・・・これ言葉にすると当たり前じゃん、て感じますが、案外この違い明確にできてない人多いんですよ。
なぜゆっくりから練習して、と言われるのか、なぜ速度を落とす必要があるのか?というところから考えてみましょう。
ピアノを弾くとき、処理する情報の多さって半端ない量になります。
楽譜に載っているすべての情報を頭が”把握”し、今度はそれを実行するために手足に”伝達”する。そして手足はそれらを”実行”する。
ゆっくり練習して、と言われるのは、頭の情報の処理が追いついてないところです。つまり把握か伝達、どちらかの過程の中の問題です。
つまり何ためにゆっくりするのかって、頭のためなのです。頭の中の情報を整理するために、膨大に流れてくる情報のスピードを緩めるわけですね。情報が整理できてないとうまく手足に指令を出すことができないからです。
ゆっくり弾いている→頭の情報処理の遅さは変わらないまま、指の方の速度を落としただけ。
ゆっくり練習している→頭の情報処理能力を上げるために、必要なことをする。
前者では何も解決しないことがわかるかなと思います。
もう一度言います。ゆっくり練習は指のためではなく頭のためです。
きちんと必要な情報が整理出来たら、自然と処理能力は向上するので、頭に必要な情報をインストールする意識で練習するといいかなと思います。