8月6日、アメリカが広島に原爆投下。単行本1巻250頁、文庫256頁
ゲンは学校の塀で光を浴びずに済んで助かった(これは作者も同じ)。
ゲンが見た被爆者の地獄図は実際に中沢啓治が見た光景であろう。
ゲンと君江の目の前で大吉、英子、進次が死亡。
実際は、中沢啓治の父やきょうだいたち(姉と弟)が没したとき、現場にいたのは母親だけで、母親は逃げたあと、焼け跡で啓治少年と再会した。
友子誕生。単行本2巻12頁、文庫1巻288頁
8月9日
長崎に原爆投下。ソ連参戦。単行本2巻19頁、文庫1巻295~296頁
ゲンがコメを探しに行く。九州から来た兵隊と知り合うが兵隊は原爆症で死亡。
次に夏江と知り合う。
ゲンと夏江は似島の陸軍病院へ。ゲンが島でコメを入手。
君江のところに戻る。隆太登場。
ゲンは朴さんと再会。
ゲンと君江は江波の林キヨの家へ。君江はコメ泥棒の濡れ衣(真犯人はキヨの息子辰夫と娘竹子)を着せられ追い出されるがキヨの善意で戻される。キヨの家の物置を整理して居住。
ゲンが吉田政二の世話の仕事を始める。隆太と再会。
政二死す。
「ピカの毒が移る」という風評で被爆者が他の市民から差別された。政二にとって最大の敵は日本政府でもアメリカでもなく周りの市民だった。
特に戦争に反対した人たちは戦時中は「非国民」と言われ、疎開先でもいじめられ、戦後になると避難先でも拒絶された。
8月15日終戦。汐文社単行本3巻188頁、中公文庫2巻342頁
大陸引揚者、シベリア抑留などが短く説明される。
大陸からの引揚は『大地の子』などで有名で、シベリア抑留もアニメ版『巨人の星』で語られているが、中沢啓治自身は原爆投下前後の広島を見ただけで、「終戦」前後の満洲やシベリアの様子は見ていないはず。
ゲンと隆太が昭を迎えに田舎へ。途中で会った兄妹は松江に行く途中だった。
マッカーサー来日。ゲンと隆太が「アメリカの飴(ガム)」をもらう。
浩二が江波に来る。
中岡家、追い出される。
ゲン、隆太たちがヤクザ2名と組んで米軍基地からミルクなどを手に入れようとするが騙される。
隆太がヤクザ2名を射殺、別のヤクザにもらわれる。
ゲンが姉妹(姉はパンパン)と出会う。
友子が誘拐される。
↓1週間
担任教師がクラスで協力要請。
ゲンが寺で読経を習い始める。
↓5日
推定1946年2月前後
ゲンが友子を見つけた時、ピカから半年(汐文社単行本4巻、208頁)。
友子は中岡家に戻されるが原爆症で衰弱。
1947年(昭和22年)8月6日、広島の平和式典。ゲン(推定小4)が雨森の提案で読経で金を稼ぐが足りない。
朴さんが10万圓寄付したが、友子は死亡(当時2歳か)。
作者の妹の友子も生後4箇月ほどで死亡(1945年末か)。