『新潮45』2013年新年号を買った。春日太一氏は「時代劇が廃れた本当の理由4」の冒頭から松平健の『遠山金さん』と北大路欣也の『名奉行!大岡越前』のキャスティングを批判。
 
確かに松平健の金さんは将軍が奉行に格下げされたように見えたし、警視総監と裁判官を兼ねた要職にある人物が職場を離れて勝手なアルバイトをしている不自然さが際立ってしまった。
北大路欣也の『名奉行!大岡越前』も個別の事件は『大岡政談』から採用しているものの、拝一刀を演じた北大路がそのまま起用された(大五郎役だった少年も子役で北大路『越前』にゲスト出演した)ように見えた。
何より北大路『越前』は与力・同心が誤認逮捕を繰り返し、奉行自身が身分を隠して捜査をし直すという奉行所の缺陥が強く印象に残ってしまった。
 
松平健の金さんが不自然に見えた時、不思議だったのは、『江戸を斬る』の里見浩太朗が演じた金四郎に違和感が余りなかったのはなぜかということだった。
里見浩太朗がTBSナショナル劇場の『江戸を斬る』で金四郎役になった時、新聞のテレビ欄では「テレビ朝日で松方弘樹が演じている金さんはいかにも遊び人だが、こちらの金さん(里見浩太朗)は品行方正」「町人姿より侍姿の方がよく似合う」としていた。
それでも里見浩太朗が様になっていたのは助さん役で町人の演技もできていたからだろう。
 
金四郎役の場合、『江戸を斬る』の西郷輝彦と里見浩太朗はまだ江戸の町人の雰囲気(雰圍氣、フンヰキ)があったが、松平健は真面目な武士に見えるだけだった。
 
それから最近の時代劇は長い台詞で説明をし過ぎるらしい。悪人が自己辯護をする場面が多くなったらしい。
それで思い出した。
鈴木嘉一氏の『大河ドラマの50年』(中央公論社、2011年)によると、橋田壽賀子の書く脚本は長い台詞が多く役者泣かせらしい。これは橋田によると主婦層を狙っているからだそうで、主婦は家事をしながらテレビを「聴いて」いるので、画面を観なくてもわかるように、ラジオドラマのつもりで書いているらしい。
こうなると役者の表情や動き、画面での視覚的な説明ができなくなり、なんでも台詞で説明することになる。
なお、戦国大河ドラマで合戦シーンを割愛する傾向も、『おんな太閤記』の時に既に橋田がそう要求していたようで、女は戦のシーンを嫌い、むしろ戦の前後にドラマを見出したいようだ。
 
田渕久美子の『江~姫たちの戦国~』でも合戦シーンの割愛(例えば本能寺の変の後の秀吉対光秀の山崎の戦い)などは記憶に新しい。
 

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「新潮45」12月号を買って春日太一氏の「時代劇が廃れた本当の理由」その3を読んだ。

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春日太一氏の「時代劇が廃れた本当の理由」その3を読んだ。 「水戸黄門」では実質的主人公は助さんで、東野・西村・佐野黄門では過去の名脇役が光圀を演じ、主役級のスターが助三郎を演じていたのに、石坂・里見黄門でその不文律が崩れたという鋭い指摘に納得。

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「新潮45」2013年1月号を買って春日太一氏の「時代劇が廃れた本当の理由」その4を読んだ。これについてはツイッターだと字数制限があるのでブログで書いた。
 

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遠藤太津朗が亡くなった時、「銭形平次のライバルの岡っ引き万七親分役」として紹介されたのもわかる。左とん平、伊東四朗の万七もなかなかよかった。

/「万七親分」の検索結果 - Yahoo!検索/

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「週刊文春」2012年12/20号巻末の「墓碑銘2012」で森光子、18代目中村勘三郎、山田五十鈴、地井武男、桑名正博、大滝秀治の写真と経歴紹介。

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/ドラマ - NHK/>『大岡越前』東山紀之さん主演で制作

NHKが2013年3月からBSで東山紀之主演で「大岡越前」を放送するらしい。これも東映・テレ朝時代劇末期「のように有名人と定番を安易に組み合わせた物にならないだろうか。

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テレ朝は北大路欣也主演で「名奉行!大岡越前」を放送したが、テレ朝では「暴れん坊将軍」で横内正や田村亮が大岡越前を演じたのだから、横内正または田村亮の大岡越前を主人公にしたスピンオフ作品を作ればよかった。

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松平健の「金さん」は警視総監が職場を離れて勝手なアルバイトをしているような不自然さが際立ってしまったし、北大路「越前」は警官(与力・同心)が誤認逮捕を繰り返し、署長(奉行)自身が自ら捜査をし直すという組織のお粗末さが目立つ作品になってしまった。

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里見浩太朗の「水戸黄門」の場合、前の主役シリーズと違ったのは助格を演じた俳優が4代目~5代目~6代目と2回も交代した点である。月形龍之介の時代を別にすると東野~石坂黄門では光圀役が同じ場合、助格の交代は1回までだった。

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東野黄門以降で助格がどちらも2回交代したのは里見黄門が初めてだった。東野~石坂黄門の慣例で考えれば原田龍二と合田雅吏が降りた時点で里見浩太朗も降板するのが普通だったが、実際は第42部以降も里見浩太朗が続投。この時点でシリーズは限界に来ていた。

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