春日太一氏の「時代劇が廃れた本当の理由」その3を読んだ。 「水戸黄門」では実質的主人公は助さんで、東野・西村・佐野黄門では過去の名脇役が光圀を演じ、主役級のスターが助三郎を演じていたのに、石坂・里見黄門でその不文律が崩れたという鋭い指摘に納得。
遠藤太津朗が亡くなった時、「銭形平次のライバルの岡っ引き万七親分役」として紹介されたのもわかる。左とん平、伊東四朗の万七もなかなかよかった。
/ドラマ - NHK/>『大岡越前』東山紀之さん主演で制作!
NHKが2013年3月からBSで東山紀之主演で「大岡越前」を放送するらしい。これも東映・テレ朝時代劇末期「のように有名人と定番を安易に組み合わせた物にならないだろうか。
テレ朝は北大路欣也主演で「名奉行!大岡越前」を放送したが、テレ朝では「暴れん坊将軍」で横内正や田村亮が大岡越前を演じたのだから、横内正または田村亮の大岡越前を主人公にしたスピンオフ作品を作ればよかった。
松平健の「金さん」は警視総監が職場を離れて勝手なアルバイトをしているような不自然さが際立ってしまったし、北大路「越前」は警官(与力・同心)が誤認逮捕を繰り返し、署長(奉行)自身が自ら捜査をし直すという組織のお粗末さが目立つ作品になってしまった。
里見浩太朗の「水戸黄門」の場合、前の主役シリーズと違ったのは助格を演じた俳優が4代目~5代目~6代目と2回も交代した点である。月形龍之介の時代を別にすると東野~石坂黄門では光圀役が同じ場合、助格の交代は1回までだった。
東野黄門以降で助格がどちらも2回交代したのは里見黄門が初めてだった。東野~石坂黄門の慣例で考えれば原田龍二と合田雅吏が降りた時点で里見浩太朗も降板するのが普通だったが、実際は第42部以降も里見浩太朗が続投。この時点でシリーズは限界に来ていた。