必殺ファンなら知っているように、やいとやが仕事の現場に落としたおみくじで足が着いた。
これを調べたのは口入屋の江戸屋で裏組織にも関わっていた。
もし奉行所がこの程度の調査をしていれば裏稼業など一網打尽だっただろう。
必殺に出てくる裏稼業の人たちは現場でクルミを握りつぶしたり、相手の首に三味線の糸を巻きつけて手元で切って立ち去ったりしていた。これでは奉行所は仕事人狩りやおとり捜査など使わなくても簡単にホシを上げることができたはずだ。
仕業人の場合、おみくじ以前に、髪の元結を切られた佛(ホトケ)が続出していることで、仕業人の犯行だと毎回宣傳しているようなものだった。
それでばれなかったということは奉行所が間抜け揃いだったということか。
中村主水も裏稼業を束ねる側として「仕業人がおみくじなどを現場に残すことの危険性」に気づかなかったのは惜しい。
ところで『仕業人』最終回では捨三が「江戸屋が一声かければ江戸中の闇の世界が動き出す」と言っていた。
一方、やいとやの過去編では又右衛門のかつての元締(最終的にこの話の標的)が「江戸に仕業人組織は2種類不要」という主旨の台詞を言っており、これは『必殺まっしぐら!』でも同様だった(OPナレーションが「天に二つの日がないように闇の世界も二つは要らぬ」)。しかし、『仕業人』最終回と『新仕置人』では江戸に闇の世界があって仕置人がたくさんいる設定だったようだ。
闇の組織は謎に満ちているが、奉行所が悪人をきちんと召し取らないほど警察組織が崩壊した時代だから仕事人も成り立ったのかも知れない。
 

「仕業人」最終回。「仕置屋」最終回でもそうだが、主水の仲間が捕まった時、本人や他の仲間が誰も「主水の裏切り」を疑わないのはグループの信頼関係を示している。お歌は剣之介を諦めれば藝者として生きていけた気もするがそれはできなかったのだろう。やいとやは針を使って錠を開けられなかったのか

午前9:34 · 2012年9月24日

 

必殺シリーズの裏稼業で主人公が依頼人から受け取る金は「仕置人」では「仕置料」、「仕留人」では「仕留料」。「仕事人」でお馴染みの「仕事料」という言い方は「仕事屋」はもちろん「仕業人」でも登場する。
 
「必殺仕業人」第10話「あんたこの宿命をどう思う」では又右衛門の昔の元締が「この世に(江戸に?)仕業人は二人といらねえ」というようなことを言っていたと思う。これは「必殺まっしぐら!」のOPの「闇の世界も二つは要らぬ」に近い。…しかし「仕業人」最終回「あんたこの結果をどう思う」(第28話)では江戸に裏組織がゴロゴロしていて、その一般的な名称が「商売人」で、「仕業人」は又右衛門が属するグループ(おそらく当時の主水グループ)を指す「裏組織の部分集合」の名前のようだった。ここで問題なのは「仕業人」最終回で捨三が「江戸屋が一声かければ江戸中の闇の世界が動き出す」と言ったほどの江戸屋が「新仕置人」では登場せず、元締・虎と死神にその座を明け渡していることである。