橋下徹(Hashimoto Toru)氏の「大阪都構想」はうまい詞(ことば)のマジックだ。
これは今の大阪市を解体し、大阪市内の区を大阪府の直下にすることで、橋本氏はそうなった状態の大阪府の名前を大阪都にするというだけの話だ。
 
もし大阪府が大阪「府」のままで大阪市が解体されたら、それは「都構想」でなく「大阪市解体」になる。
大阪市長が大阪市を解体するというのはゴルバチョフ(Gorbachev)に近い。
ソ連の書記長(総書記、General Secretary)がソ連大統領(President)となり、不本意だっただろうが結果としてソ連を解体した。
 
「大阪府」「大阪市」どちらかの地名を残した上で府と市の二重行政を排除するには二つ方法が考えられる。
まず大阪府を「府」のままにして大阪市を解体するのであれば、それは大阪市がこの世からなくなることを意味する。
これは大阪市民から反撥を買うだろう。
 
では從来の大阪市を解体した上で、現行の大阪府を「大阪市」にしたらどうか。
この場合、大阪市が大阪府全体を支配することになり、大阪市民以外の大阪府民は大阪市に占領されることになって反撥するだろう。
そこで橋下氏は「大阪市解体」でもなく「大阪市を府に擴大」するわけでもなく、「府」も「市」もなくして「大阪都」を作ることにしたようだ。これなら大阪市民も大阪市以外の大阪府の住民も納得するであろう。
 
東京都のほかに大阪都があったらややこしいが、首都は北京市、ソウル市、ワシントン市のように市であり、中国には成都もある。だから首都が都でも首都以外が都ということもあるが、面倒なのは京都が「京都府」であって都道府県の府に入り、「京」という「都」ではないということだ。もし京都府が都構想を考えたら京都都になるのか。
 
橋下氏の都構想は大阪府をそのままにして大阪市だけ解体することでも可能だ。新潟市が新津市を併合したのと逆で、平成の大合併ならぬ平成の都市分割である。また橋下氏の都構想は大阪市の範圍を大阪府全土にして大阪市が府全体を支配することでも可能である。
あるいは東日本と西日本を分裂させて大阪が西日本の首都になれば大阪都は実現するし、大阪府が日本から独立してシンガポールのような都市国家になれば大阪府庁が大阪国政府になって、大阪市役所は大阪都庁になる。
 
子供のころ、社会科の地理で東京都の都庁所在地は東京だと教わったが当時は千代田区でその後、新宿になった。これにより東京都政は新宿、国政は永田町と霞が関という分担が可能になった。
東京都の23区は旧東京市で、なぜか最近、西東京市ができた。
 
2015年にエヴァンゲリオンが使徒と戦うときには日本に新東京市が出来ている予定らしい。リオ五輪の前年である。
 
ところで新宿区と東京都、千代田区と日本政府による二重行政は問題にならないのであろうか。
 
TWEET(1)〕〔TWEET(2)〕〔TWEET(3)〕〔TWEET(4)〕〔TWEET(5)〕〔TWEET(6)〕
 
前後一覧
2012年9/11(Y!Blog)
2012(平成24年)9月11日前後(AmebaBlog)
 
関連語句
都構想

参照
大阪都構想、僅差で否決