昭和20年代、昭和50年代、そして平成20年代が扱われていた。
昭和64年が平成元年なので、第1夜から第3夜まで劇中で60数年経過したわけだ。
 
最近、『三丁目の夕日』を初めとして「昭和」というと判で押したように昭和30年代かせいぜい昭和40年代までが扱われてばかりいたので、辟易していたので、『ブラックボード』でその昭和30年代を「割愛」してくれたのは嬉しい。
 
「終戦」当時子供だった世代が前の世代を全面否定し、「戦争させしなければいい」という価値観で戦後日本を作った結果が校内暴力や学級崩壊を生んでいたように見える。
 
1947年ごろの白濱正平の家では名取裕子扮する母親がまだ家族を仕切っていたが、1980年代の不良少女や2010年代のモンスターペアレンツなどの例では親が育児を放棄しかけていた。
劇中の描写を観る限り、学校の授業が成り立っていたのは第1夜の終戦前で、戦後30数年と60数年の時代では学校が崩壊していた。
 
学校は被災地の避難所として重要であるし、当の子供たちもクラスメートを失ったり、津波に襲われた学校が他校と合併という形で歴史に幕を閉じたりして、学校の大切さを身にしみて感じていたはずだ。それが中学・高校になると学級崩壊とはどういうことか。
義務教育だから小中学校で留年をさせないことが果たしていいことかどうか。学習には個人でスピードの差がある。小学校の内容を6年で学び切れていない人を中学に入れることは負担ではないか。
また農家や商家にとって子供を働かせながら家を継ぐのに必要な読み書きを学ばせるほうが効率がいいのに、近代の学校制度が親から金を集めてまで子供を一定期間、学校に拘束することになった。このシステム自体、絶対かどうか疑うほうがいい。
 
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