1970年当時、のび太と出会ったセワシは「のび太の残した借金が多すぎて100年たっても返済できない」という趣旨のことを述べている。

 

当時予想された近未来を観てみると、「机からとび出したドラえもん」では20年後(推定1990年)に小さな会社を起こすものの、翌年につぶれ、そのときの借金が多くて100年たっても返しきれないとある。
1991年から100年後だと2091年だろうか。
また、「未来の国からはるばると」ではのび太が1988年に会社設立、93年に会社まる焼け、95年には借金をかかえており、1995年から100年後だと2095年。
いずれも21世紀末である。

 

10歳くらいのセワシがドラえもんと生活している未来は2125年である。
20125年から100年さかのぼると2025年である。
するとのび太の残した借金は2025年から始まったのであろうか。

 

1970年当時、10歳だったのび太は1960年ごろに生まれたことになる。
この場合、「初代」のび太は1970年で10歳、1980年で20歳、1990年で30歳、2000年で40歳である。
この調子だと「初代」のび太は西暦2010年で50歳、2020年で60歳、したがって2025年で65歳である。

 

そうなるとセワシが言った「100年たっても返しきれない」はのび太が60代になったときからの話とすれば納得できる。はっきり言うと、2125年の時点から見た過去として「歴史上、のび太が年老いて死んだあとから100年ほどたっても、のび太の子孫たちがのび太の借金を返済できなかった」ということだろう。

 

「初代」のび太が「後期高齢者」とされる75歳になるのは2035年。80歳になるのは2040年で、このあたりで「初代」のび太はこの世を去るのであろう。

 

さて、2009年の大晦日に「45年後…」がアニメ化されるらしい。
「初代」のび太の45年後は、1970年当時から数えると2015年である。2010年が映画ドラえもん30周年だからそれから5年後が「初代」にとっての「45年後」だ。
一方、2009年から45年後は2054年、2010年から45年後は2055年である。

 

1975年当時の「ツチノコ見つけた!」では約70年後の西暦2045年にツチノコブームが起きることになっている。
「ツチノコ見つけた!」の雑誌掲載当時、作中ののび太は1962年生まれだったようなので、2045年では83歳。
てんコミ収録版では1976年が舞台で、当時のび太が10歳とすると1966年生まれで、2045年では79歳。
ツチノコブームのときは初期作品ののび太の一生が終わるころであろう。

 

なお、アニメの『ドラえもん』の時代設定は放送時期に合うよう作られており、2012年以降、のび太の少年時代からドラえもん誕生まで残り100年を切っている。これならセワシの言う「100年たっても」は現実味を帯びてくる。

 

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関連語句
初代 のび太 ノビスケ セワシ 21世紀 45年後 近未来
百年後のフロク(内容検索)

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