「大リーグボールは一人の打者に打たれても使えるか」 

1978年のシーズンはヤクルトが優勝した。
星飛雄馬は大リーグボール右1号「蜃気楼の魔球」を編み出したが、阪神のロメオ南条は「こんな手品の相手にはならん」と魔球の打倒を捨てて、間の速球を打ち、ピッチャー返しで飛雄馬をKOすることを考えた。これに対しては星一徹が長嶋に提言し、守備の連帯でロメオを打ち取った。
蜃気楼の魔球はヤクルトの花形に打たれた。
飛雄馬は負け犬の心境になったが、長嶋監督は飛雄馬にヤクルト以外のライバル球団にはまだ通用すると言って登板を命じ、飛雄馬は広島、中日を相手に蜃気楼で連勝。しかし、これは花形のいたヤクルトに漁夫の利を与えてしまった。
その後、横浜大洋の左門も蜃気楼を打倒。

 

打たれた魔球を使い続けると、魔球の通用しないライバル球団を有利にすることもあるわけだ。

 

一方、アニメ『新巨人の星II』では、まず左門が最初に蜃気楼ボールを打った。常に左門が花形に先を越されていたのでアニメのスタッフが配慮したか。その後、花形が「ツバメ返し打法」で蜃気楼ボールを打倒するが、それで身体を壊して戦線離脱。最後は「巨人優勝」という結末だったようで、この場合も飛雄馬は花形に打たれたあとも登板を続け、左投手時代も含めた過去の魔球を使い分けていた。

 

『侍ジャイアンツ』の場合、原作の番場は1973年に大回転魔球を編み出したあとも、その前のハイ・ジャンプ魔球と併用していた。アニメではハイ・ジャンプを大砲に打たれ、えび投げに改良したところ、ウルフ・チーフのハイ・ジャンプ打法で敗れる。ここで番場は球場を去る。八幡は「他の打者には通用する」と言ったが、川上監督が「第2、第3のウルフが現われるだけだ」と断言。

 

次に大回転魔球は眉月に打たれる。
原作では番場は大回転魔球を不二立彦に打たれるものの、すぐに魔球なしでリベンジを果たす。

 

最後は分身魔球で、アニメでは横分身をウルフに打たれ、番場は試合を捨てかけたが、今度は川上監督は引き続き登板を命じた。えび投げHJのときと逆である。
その次の対戦で、長嶋からの電話による助言で番場が魔球を縱分身に改良、巨人は1973年セ・リーグV9を達成した。

 

その後、ジャックスに縱分身まで打たれるが、番場は最終的に過去のあらゆる魔球で挑戦し、最後にハイ・ジャンプと大回転と分身を合わせた魔球で勝利した。

 

つまり、星飛雄馬も番場蛮も打たれた魔球を改良したり、打たれたあとも他の打者に投げ続けることはしているようである。
しかし、現実問題として、決め球を打たれるたびに新しい魔球を編み出すのは効率が悪いし、球種を読まれない努力をすれば、過去に打たれた変化球で打者を打ち取ることもできるはずだ。

 

結局、星も番場も既存の変化球を多数、マスターし、魔球を混ぜるのが効率的であった。
『新巨人の星』では右投手の飛雄馬がシュート、スライダー、さらにフォークボールまで投げることができた。いつからそんなに球種が増えたのが定かではない。

 

@kyojitsurekishi

原作「新巨人の星」では1978年に星飛雄馬が蜃気楼の魔球を編み出した。阪神のロメオ南条は「こんな手品の相手にはならん」と速球を打ってピッチャー返しで星を倒そうとした。星一徹が長嶋に助言し、巨人の守備陣の連係プレーで星の勝ち。

午前7:38 · 2012年12月21日

 

蜃気楼の魔球はヤクルトの花形に打たれたが長嶋監督の命令で星飛雄馬は中日と広島を相手に魔球を投げて勝ち続けた。しかしそれはヤクルトの順位を上げるだけだった。星は横浜大洋の左門にも魔球を打たれ、それでも王の超美技に助けられ、試合は巨人が勝った。

午前7:44 · 2012年12月21日

 

1979年のアニメ「新巨人の星II」では1977年に花形がヤクルトに入ってから日本シリーズが1回だけでいつの間にか時代が2年後の1979年の江川卓入団当時に移っている。左門が先に蜃気楼ボールを打ってHRとなり、次に花形がツバメ返し打法で打った。

午前7:45 · 2012年12月21日

 

「週刊プロ野球セ・パ誕生60年」第5号によると1978年5月23日に広島が最下位から脱出したのとほぼ入れ替わりに阪神が最下位に沈んでいる。更に同年5月末から6月前半にかけて巨人が首位から2位に後退したのと入れ替わりにヤクルトが首位に浮上している。

午前7:54 · 2012年12月21日

 

昨夜「怒り新党」で「新巨人の星」アニメ版のスクリュースピンスライディングが取り上げられたらしい。ネットを見ると「新巨人の星」もスクリュースピンスライディングも知らなかった人が多かったようだ。自分は原作もアニメもリアルタイムで見ていた。

午後6:42 · 2013年1月3日

 

2014年07月12日(土)
@kyojitsurekishi アニメの侍ジャイアンツで番場蛮がエビ投げハイジャンプ魔球をウルフに打たれ降板した時、(「魔球は他の打者にまだ通用する」と言う八幡太郎平に対し)川上監督は「1人の打者に敗れた魔球はすぐ通用しなくなる」と(言って)理解を示していたが、番場がウルフに横分身魔球を打たれた時、川上は番場に続投を命じた。これもまた作戦である。
posted at 20:36:09

 

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午前9:02 · 2019年11月21日

 

 
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2009年10/17

 

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注釋
速球に狙いを定めていた
なお、「魔球の合間の速球を打つ」という攻略法は、作中で阪神の田淵も左投手時代の星に対してやっている。これは69年後期と70年前期で、合わせて2本の安打を記録している。2本目は花形の2号打倒を助ける「三塁ランナー協力作戦」であり、星がランナーを背負っての救援であれば容易だが、この試合では星が先發だったので、花形の前に誰かが出塁する必要があった。コントロールのいい星相手に「四死球」は望めず、魔球の合間の速球を打てたのは田淵以外にいなかったのであろう。
結果的に、その田淵の戦法をロメオが継承した形になっているのは、タイガースの傳統であろうか。

 

大リーグ時代のウルフ・チーフの殺人的なスライディングを番場が同じようなキックで破ると、阪神に入ったウルフは番場のハイ・ジャンプ魔球にハイ・ジャンプ打法で対抗。そして、星飛雄馬がスクリュー・スピン・スライディングを使うと、掛布雅之が同じようなキックで破った。ここにも阪神タイガースの野球の流れが見える。

参照
星飛雄馬の球種の謎
『侍ジャイアンツ』第27話「狼酋長現わる!」が「ウルフ・チーフ現わる!」になっていた
主な作品・2009年10月分
スポーツ全般、梶原vs水島他(2009年10月1日~19日)