第171話「かえってきたオズマ」(東京MXテレビで2008年12月8日再放送、本放送は1971年7月3日)
第172話「オズマの死」(東京MXで2008年12月9日、本放送は1971年7月10日)

第173話「壊れたピッチングマシン」(東京MXで2008年12月10日、本放送は1971年7月17日)
第174話「白い血の秘密」(東京MXで2008年12月11日、本放送は1971年7月24日)

 

オズマが星になったあと、今度は星飛雄馬と花形の対戦。

 

第173話「壊れたピッチングマシン」と第174話「白い血の秘密」は原作の「血ぞめの大リーグボール3号」に相当する。
花形が3号と対戦した話と、試合後にテレビ局のインタビューに応じて「星のボールは血ぞめだ」と言った話をアニメで前後2回にわけ、それぞれにアニメ独自の話を追加してある。

 

花形は原作の「でた!大リーグボール3号」のときに明子の隣りで1970年のオールスター、大阪での第2試合を観戦し、星飛雄馬の「謎の下手投げ」を観たあと、「大リーグボール三号のきざし」と明子に語っていたはずなのに、「血ぞめの大リーグボール3号」では「星君!お初にお目にかかる大リーグボール三号‥‥、いや、それらしきものをじっくりおがませてもらう」と言っており、矛盾していた。

 

アニメでは明子が客席でオールスターを観ていたとき、花形は出現していないので、球場での対戦はこの星飛雄馬との対決が最初になり、辻褄が合う。もっとも、アニメで花形は花形モータースの科学班に頼んで大LB3号を投げるピッチングマシンを作ってもらい(試合までの4日の間)、練習していた。

 

科学班は飛雄馬の投球フォームを分析したはずだが、機械そのものは人間とは程遠い形で、ボールを投げるときの腕の動きも投手の腕の動きと違っていた。
また、のちに飛雄馬が左門に書いたてがみによると、飛雄馬の大LB3号は誰がやっても可能というのではなく、彼の天性の「球質の軽さ」も原因であるようだが、機械ではそこも再現できたのだろうか。

 

花形は2球空振りし、2球バントしたあと、ノックアウト打法を想いつき、打つことに成功。その直後、6球目の投球の最中にピッチングマシンは大爆發。
普通、部品のつなぎ目から壊れるはずが、ピッチングマシンの腕は途中からちぎれてしまった。

 

これで科学班の技術者と花形は、星飛雄馬が大LB3号を投げるとき、彼の身体に恐ろしい負担がかかっていることを悟る。

 

そして花形は実戦でバントとノックアウト打法で3号を打ち、飛雄馬が破滅に向かうことを確信する。
江夏のヒットはアナウンサーの説明だけですんでおり、ほかにアニメ独自の話がたくさん入っていた。
原作では飛雄馬が花形に対し無感動なのに、ノックアウト打法の打球に対して敢闘プレーをしたことから、花形が「星は野球への情熱は失っていないが、投手生命が残り少ないことを悟って、無感動になっている」と考え、アニメでも放送席のインタビューではそう答えていた。

 

それがアニメでは事前にピッチングマシンの話が追加され、ノックアウト打法で花形が「星は血ぞめだ」と認識した理由が視聴者にわかりやすくなっていたようだ。

 

花形がノックアウト打法で長嶋を狙ったのは、王貞治と飛雄馬はこの打法を知っていたからであろう。

 

飛雄馬がたくさん三振を取るのは半速球なのでスタミナが持つということだが、一方で体力を消耗しやすいような描写もあり、そこが謎である。
不知火(Wiki)の超遅球も速球以上に体力を使うようだ。

 

この次、アニメでは一徹が「3号は1号の応用」という、オズマと同じ推理をする。これは外れていたが、さすが、師弟だけあって考えは似ている。オズマの帰国と他界のニュースは中日首脳部に届いていたのだろうか?
次は珍しく、原作の2つのサブタイトルに当たる話をアニメの1話分ですませている。
└→第175話「勝利の若獅子」

 

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2008年12/11