20世紀の初め、朝鮮は日本と、続いて満洲と「一つの国」になったが、高句麗(Koguryeo)、渤海(Palhae、Bóhăi)領を自国領と考える朝鮮民族の手で満洲国を作らなかったのが妙である。
 
今の日本の中国への投資ブームや、日本企業が、ただ「安い事件費」だけのために中国の工場で生産する経営方法は、かつての「満洲国」への幻想と、大して変わりはない。
餃子問題でも偽造品問題でも、多くの日本人が中国大陸に住んでいる日本人と中国人のことを考えないのは昔も今も同じである。グローバル化した経済において、安全基準をたかが一国だけの法律に頼るのは初めから意味がない。

 

日本が戦争放棄、非核三原則を国際法でなく日本の国是とする限り、他の国はそれを守る義理はない。日本周辺の国が日本国憲法9条を守るには、日本周辺を日本の「傀儡(操り人形)国家」にする以外にないわけで、「傀儡国家」自体は悪いことではない。

 

今、日本企業や個人が中国の「東北地方」に駐在し、中国本土で鉄道などの技術支援をしているようだが、これが満洲国建国の目的であった。「大連は日本と関係が深い」というのをビジネスや観光客誘致に利用するのは「侵略」の正当化である。歴史は「侵略」を正当化する身勝手なものだ。

 

2008年になって静岡の業者が中国大陸産や台湾島産の鰻を「国産」と偽装していたことが問題になったが、かつて、台湾を併合し、満洲国を作った日本が、今では中国大陸と台湾を「日本でない」と想いたがっているのが皮肉である。そもそも、日本企業が工場を中国に移して、日本産も中国産もわからなくしているせいであるし、「正確」に書いたところで、日本での「中国や台湾産を国産に」(ネット上、毎日新聞、2008年2月20日)という報道のように「中国産」と「台湾産」を分けて扱っていることは、中国政府の立場から見て「正しい」のか。「国」など、所詮、承認と枠組み、解釋の産物である。
それはコソボ(Kosovo)独立についても言える。

 

大連京劇団の劇場は旧東本願寺だが、当時、生まれていなかった世代にとって、それは劇場であり、昔の名前などどうでもいい。かつて、寺であったので日本人の骨も多数、残されているらしい。「日本人公墓(公募ではない)」があるほうはましで、墓もない遺骨も多数、あるだろう。これが始皇帝のやった戦争、『三国志』の戦争であれば、どれほどの数にのぼるかわからない。

 

tweet〕(Y!Blog)
TWEET〕(AmebaBlog)

 

前後一覧
2008年9/14(Y!Blog)
2008年(平成20年)9月14日(AmebaBlog)

 

関連語句
満洲 満州(内容)

参照
中国における反日暴動

 

昭和史
2020-07-13 09:40:27