日本のロックが好きじゃなかった。
サザンオールスターズ、アルフィーといった、
ポップス寄りなバンドはニューミュージックとして好んで聴いていたが、1985年の秋頃までの僕は、
偏見と先入観で日本のロックを毛嫌いしていた。
R&R=リーゼント
ヘヴィメタル=長髪にメイクに派手な衣装
パンク=モヒカン
というように音樂ジャンルとファッションを結びつけて不良が好む音楽と認識していたのと、ロックとは外国の音楽であり、日本のロックは外国の真似であると子供心に薄っすらと認識していたのもある。

REBECCA(以後はレベッカと表記)の楽曲を初めて耳にしたのは、まさにそんな頃だった。

当時住んでいた実家は田舎でFM放送はNHK-FMしか入らず、地方のAMラジオ局が放送していたローカル版の歌謡ベスト10番組を好んで聴いていた。
レコードの売上とリスナーからの電話や葉書で順位が決まり曲を流す形式で、日曜日の午後は放送時間が長くなって50位からフルコーラス流していたので、
好きな曲をカセットテープにエアチェックして聴いていたのが、現在では信じられないほど貧相。
レベッカのヒット曲『フレンズ』を初めて聴いた時は、確か4位とかだったと思う。
土橋安騎夫のキーボードが奏でるイントロから引き込まれ、歌がツーコラスの後にギターソロが入って再び歌のサビに戻る構成の楽曲を聴き終えた時、なにかこれまでとは違う新しい音楽を聴いた高揚感に、
両親と共同で使っていた部屋の隅の学習机の前で、ひとり感動に震えていたのを覚えている。

女性VOが男性の楽器隊を率いて歌う編成が新鮮に感じたし、NOKKOのファッションのアメリカンな可愛さにも惹かれて、日本でもこんなバンドが売れるのか!と、ラジオで聴いた時以上に衝撃を受けた。
NOKKOに関してはマドンナやシンディー・ローパーといった当時流行っていた洋楽の女性シンガー達に近い感じなのは明らかだったが、ニューウェーブを思わせる若いバンドが日本でも売れてきたという喜びに、
洋楽と比べてどうといった見方は吹っ飛んだ。
当時の僕はギターよりシンセの方がカッコイイと思っていたし、英国ニューロマンティックのバンド勢みたいなバンドが日本からも出てこないだろうか?と、
歌番組とAMラジオしか情報源のない田舎の小学生ながらも、歌謡曲やニューミュージックにはもう飽きているんだよとモヤモヤしていた頃である。

その後、中学生になるとLPを購入。
といっても新品では買えないので中古で売っているのを見つけてだが、実家に2枚置いてきた。



過去何度か再結成した時には現在進行形での興味を失っていたが、80年代後半に好きだった。