コードギアス 奪還のロゼ 第2幕


劇場で鑑賞






出番が少なくても旧作のキャラが登場すると安心感があるなと感じるが、旧作のキャラを登場させ過ぎるわけにもいかないという歯がゆさと煮えきらなさ。
Zガンダムみたいにはならないところが良いなとは思うけど、舞台がネオブリタニア占領下の北海道とはいえ、本土からは物資の支援のみというのはモヤモヤしてしまうといった感情が正直ある。
次世代の主人公に力を授けたが力は貸さないのは、
もはや普通の人間ではなく世の理から外れて生きているからと問答はされるけれど、旧作での生命を賭した戦いは無駄だったのか?と苦々しさが湧き上がってくるのも、本作が旧作の正統な続編だからこそ。
あれだけのことをやっても真に平和な世界は訪れないし、人間は過ちを繰り返すのが現実。
旧作の蛇足としての復活はそれでも救済と感じたが、
本作はコードギアスの本当の意味での続編。
世界は未だ争いが絶えず、超合衆国も黒の騎士団も他の問題で手一杯であろうことは第1幕でも察せられてはいたが、旧作以降に世界で起きた出来事がより詳しく語られたことで本作の世界観や状況設定が本作ならではのものとしてようやく理解できた。
第1幕はあくまでも序章で舞台と主要人物の紹介といった印象だったのに続き、本当の意味で物語が始まったと第2幕で、旧作とは異なる神作を実感。
旧作に比べて主人公の正体を知っている味方は多いとはいえ、主人公のギアスを知っている味方は1人もいないという状況から考えられる主人公の孤独。
旧作の主人公には力を与えてくれた者が共犯者として寄り添っていたが、本作にはそんな人はいない。
王の力はおまえを孤独にするとは、旧作より第1幕よりもより深く突きつけられている印象。
いや、例え理解者やパートナーがいたとしても、
人は本当の意味では孤独なのかもしれない。
冒頭での旧作カップルの問答は既に人間社会の中で生きることを辞めた不死の者達の達観した考えを伝えてもくれるが、空を見つめる虚ろな表情で口にされる答えは、愚かな人間達への失望をも感じさせる。
旧作の負の遺産であるダモクレスとフレイヤが再び使われると知ったら旧作の主人公がブチ切れてて出て来やしないか?、もしくは旧作の主人公の影武者が?などとほんの少し期待したのは僕だけではないと思うが、それをしないのが本作の良いところ。
フレイヤの開発者として成長したニーナがフレイヤを防ぐ作戦に加わる展開は熱かったし、自らの罪を償うための研究を旧作以後も続けていたことが彼女の口から語られる場面では泣いてしまった。
あのメンヘラレイシストJKが、日本人の護衛と共に現れただけでも驚くのに、立派になって……。
そして旧作以前からの負の遺産であるギアスの存在を敵も知っているのは第1幕でも匂わせてはいたし、
ギアスは敵に知られてからが見せどころ。
もうここまで来たら第3幕が早く視たい!と思わせるところまで、激熱展開が加速を始めている。

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