「私ね。マーグ兄さんが初恋だったの。」

80年代の初め頃にアニメヲタクだった人なら、名前くらいは聞いたことがあるだろう。
『六神合体ゴッドマーズ』で主人公の兄であり、
悲劇の運命を辿る美少年として女子中高生を
中心に人気を集めたのが、マーグ兄さん。
気がふれたフリをして肩に小鳥を乗せ、囚われの身であるが隠れて弟に情報を流す重要な脇役。

マーグ CV: 三ツ矢雄二

30代の真ん中辺りの頃、2年位の友達付き合いを経て恋人になった女性は腐女子だった。
今時の言葉に言い換えれば、貴腐人。
出会いからして80年代のOVAの話がキッカケだったので自然とヲタクな話題が多かったのだが、
付き合い初めて間もなく冒頭の話をされたのだ。
『ゴッドマーズ』は合体ロボットアニメでありながらも女性人気に支えられて全64話1年2ヶ月も放映され、さらに劇場映画化もされたヒット作。

88年にはマーグが主人公のOVAも発売

マーグ兄さんが初恋だったと言われて、彼氏としてはどんな顔をするのが正解だっただろう?
薄命の運命に生きた悲劇の美少年とはいえ、
アニメのキャラクターである。
僕はどうして良いかわからず、歌い出した。

♪好きだよと言えずに初恋は~


突然何を言ってるんだコイツは?と思われるだろうが、これは偽りなき実話である。

幸いにも彼女もこの歌が好きだったので笑ってくれたが、彼女も自分から言い出した手前どうして良いのかわからない空気を感じていたのかもしれない。


そんなわけで前編に書いた話を自分でも体験したということを伝えたかったのだが、

僕の初恋は現実の同じ学年の女の子だったよ。


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