JOURNEYが10月に来日する。
最新アルバム『FREEDOM』は僕も買って聴いているが、日本盤の発売は2022年の7月。
もうそんな前だったか……と自室のCD棚から引っ張り出して聴いている。
JOURNEYの新譜だからと勇んで買いに行ったわけではなく、他のバンドの新譜を買いに行ったついでに試聴機に入っているのを見つけて、
そういえば新譜出したんだよなと何曲か試聴してから購入を決めた1枚。
特に目新しくはないがベテランバンドの貫禄が漂う新作という印象で、JOURNEYと出会った時に心がたぎった新鮮さとは異なる感動。
かつて天下を取った王者が王道の作品を発表してくれる安心感というのは、心強い。

JOURNEYは僕がロックに興味を持ち始めた頃にはまだギリギリ活動休止前で、アルバムは売れていたがヴォーカルのスティーブ・ペリーの体調不良を理由にツアーが短期間で終了して来日もしていなかった時期で、その後いつの間にか消えてしまったバンドだった。
91年の春に『LADY NAVIGATION』がヒットした頃にB'Zのギタリスト松本孝弘のロングインタビューを邦楽メインの総合音楽誌『WHAT's IN?』で読んだ時、TOTOのスティーブ・ルカサー、
JOURNEYのニール・ショーンの名前を挙げて
彼等のような知的なギタリストが好きですねと語っているのを読んだのを覚えている。 

音を聴いたのはたぶん同年の秋か冬。
洋楽のHM/HR系の新作MVを独自の観点から選んでいち早く紹介する番組がWOWOWで週1回放映されていて、伊藤政則がナビゲーターを務めるだけあってMETALLICA、ALICE COOPERといったビッグネームから、まだ当時は日本盤が出たばかりだったNIRVANAのMVが紹介されたりと情報が少ない田舎では貴重な番組で、家でWOWOWを視れるギタリストの友人が自分の好きなMVを僕にも視せたいからと録画したVHSを貸してくれたうちの1本がキッカケ。
毎回番組の最後に温故知新的なコーナーがあって、過去の音楽シーンと代表的なバンドについて語った後でヒット曲のMVを流していたのだけど、ある回はJOURNEYについてだった。
80年代の初めにアメリカン・プログレ・ハードと呼ばれるバンドが~と当時のシーンを解説した後で、『SEPARATE WAYS』のMVを放映。
これ91年には新鮮に聴こえたし映った!



この10数年後に大槻ケンヂも『ぴあ』で連載していたエッセイに書いていたが、『北斗の拳』の主題歌かと思うようなキーボードの大仰なイントロから始まり、港に楽器を並べてエアで演奏して、さほど美人でもない女をメンバー全員でとりあうダサいMVがカッコイイのだ!ていうようなことを語るオーケンのエッセイを読んだ時、
同じことを思っていた人がいたよ!!と嬉しかったことも、セットで思い出す。
ダサいけどカッコイイなんて言ってはいけないものだと91年には思っていたが、いつの頃からかそんな言い回しは方々で見聞きするようになって、長年の胸のつかえが解消された爽快感を得たことを大槻氏の顔を見るたびに思い出す。

僕のJOURNEYとの出会いはそんなだったが、
『SEPARATE WAYS』を収録したアルバム
『FRONTIERS』はCDとLPで持っている。



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僕はこのアルバムの2曲目が好き