熱烈なファンというわけではないけれど、
子供の頃に夏休みこどもスペシャルとかタイトルされた枠で朝の10時半からTVで放映された時に視ていたのが、大映のガメラシリーズ。
でも全作ではなく、バルゴンとギャオスだけ。
♪強いぞガメラ 強いぞガメラ 強いぞガメラ~
って歌がEDで流れる、正義の味方ガメラ。
そのイメージだったので平成ガメラを映画館で視た時には、良い意味で別物だと思った。
平成ガメラはレギオン襲来まで映画館で視たのだが、ガメラと言えばこんな思い出がある。
池袋文芸坐のオールナイト特集で
初代ガメラ(旧1作目)
ガメラ対ギャオス(旧)
平成ガメラ
ガメラ2 レギオン襲来
の4本立てをたぶん25年位前に視た
防衛軍がギャオスに対して回転作戦を実行に移す時、大真面目なナレーションに場内は爆笑!!
オールナイトなのでヲタクな大人しかいない。
その大人達が一斉にドッと笑い出す光景。
映画館って良いなと思ったものだ。
そして昨夜YouTubeの角川シネマコレクションで、
大怪獣ガメラ(1965年)を視聴。
2週間限定の無料配信の告知を見かけて気になっていたが、7日目にようやく視る時間ができた。
これは王道の怪獣映画であり、おバカな作風が愛おしいという意味で惚れ直した映画。
冒頭からラストまでツッコミどころが満載であり、
真面目に視るにはオススメしないが斜に構えて酒の肴にして眺めるには、楽しい映画。
まず冒頭で巨大生物学の権威である学者が北極海の辺りへエスキモーの長老を訪ねるのだが、そこはまあガメラが眠る場所だからわかる。
しかし会話の流れにビックリ!!
なんと!伝説のアトランティス大陸は北極海に沈んだと語られ、アトランティス大陸の伝説の亀についてなにか知らないか?と長老に問うのだ!!
なぜ?北極海?アトランティスは大西洋上にあったとされているのが定説だろ?と唖然!!
そしてエスキモーに伝わる石に亀の絵が描かれており、悪魔の亀、ガメラと教えられる。
直後に北極海上空で国籍不明機が米軍機に撃墜され、国籍不明機が搭載していた原爆が爆発したために、氷の中からガメラが復活!!(笑)
そんな!プラトンの時代の伝説のガメラが!
原爆くらいで目覚めるんかい!!
しかも目覚めてすぐに探検船を襲うとか!!
炎を食べて自らのエネルギーに変える性質については、プラトンが火喰い亀の伝説を伝えていると語られてなるほどと思うし、空を飛ぶことも石に描かれた謎の模様が暗示していると語られているが、
世界中を飛び回って円盤として目撃される騒ぎを起こした後で、なぜ?日本を集中攻撃なのか?!
ガメラの考えることはわからない。
人間側の作戦も高圧電流、戦車の砲撃と定番を始めにやるが、熱に強い性質なら逆に低温に弱いのではないか?と冷凍爆弾で動きを鈍らせる作戦はなかなかに考えたなと思う。思うが試作品で10分しか効かないのに加えて、動きを鈍らせた後の作戦が、
なんともおバカ!!
ガメラが座した地盤をダイナマイトで崩して転げ落とし、引っくり返す作戦。
「亀は引っくり返ると自分では起き上がれません!
このまま飢え死にするまで待ちましょう!」
大真面目に言い放つ巨大生物学者。
手足を甲羅に引っ込めるガメラを見て自衛隊員が言い放つ一言も、笑いに拍車をかける。
「手も足も出ないってやつだな!(笑)」
手足を引っ込めたのは火を吹いて回転しながら空を飛ぶためなのは、明白である。
最終的には人類の叡智が一応は勝利するのだが、
そこに至るまでのドラマも含めた60年代な作風は
寝っ転がって視るくらいがちょうどいい。
1度だけ子供を助ける場面があるのも見所なのだろうし、この子供が亀を大好きでガメラをかばう描写などは子供向け映画の目線も秀逸と感心。
何にせよ、古き良き怪獣映画である。