以下は、東京都教育委員会が公表した「資料2:マークシート方式の導入の成果と課題」の一部を拡大したものです。
マークシート方式モデル実施校(20校)で、記号選択式問題の自動採点が行われたのは数学を除く4教科です。
マークシート方式モデル実施校(20校)の受検者総数は、国語と英語が7,657人、社会と理科が7,594人です。
読み取りに要した時間は、国語55分、数学40分、英語45分、社会39分、理科48分です。
同じ受検者数の教科であっても、時間にばらつきがある理由は、教科や学校によってエラー数(受検者の方によるマークミスをOMRがエラーとして検知した件数)が異なるためと考えられます。
また、これらの時間は、マークシート方式モデル実施校の各学校で読み取りに要した時間(エラー対処の時間も含める)を平均した値だと思われます。
1教科50分程度で読み取りが終了したこの結果に対して、マークシート方式モデル実施校の校長は採点時間が大幅に短縮したと評価しています。
今回の採点にかかった作業時間(50分程度)の内訳については公開されていませんが、純粋にマークシートの読み取りだけにかかった時間は、各教科おおよそ10分程度であったと推察できます。
なぜなら、マークシート方式モデル実施校で使用されたOMRの画像読み取り速度は、分速36枚(※)だからです。
1校あたりの受検者数を考えると・・・
7,657人を単純に20(校)で割ると382.85人です。
382枚程度のマークシートなら10分程度で読み取ってしまう計算です。
(382人÷36枚=10.6分)
OMRはマークの読み取りと同時に集計が可能ですから、もし受検者の方によるマークミスを減らすことができれば、エラー対処の時間が減り、採点時間はさらに短縮できることでしょう。
都立高入試において、OMRがいかに時間短縮に貢献できるかがご理解いただけたでしょうか。
次回は、都立高入試からわかるOMRの成果(2)~OMRによる採点の誤りは皆無~を解説いたします。
※ 平成26年度マークシート方式モデル実施校採用 OMR「SR-3500HYBRID」の仕様です。