今回は、マークシート方式を導入しなかった高校での採点状況について触れてみます。
以下は、東京都教育委員会が公表した「資料3:2系統による採点・点検方式の成果と課題」の一部拡大です。
(※拡大部分の表は、マークシート方式実施モデル校を対象外とした調査結果です。)
この資料によると、2系統による採点・点検方式にしたことによって、手採点の『単純ミス』は大きく減少したと記載されています。
『単純ミス』とは、オレンジとグリーンの帯で示された部分の「誤答を正答として採点した」「正答を誤答として採点した」「合計点を誤って算出した」といったミスです。
これらの『単純ミス』は、平成25年度:1,178件 から 平成26年度:60件にまで減少したとあります。
ですが、この2系統による採点・点検方式によって起きた60件の『単純ミス』は、OMRによる自動採点で0件にすることが可能です。
・誤答を正答として採点した
・正答を誤答として採点した
・合計点の算出に誤りがあった
OMRなら、これらの『単純ミス』を防ぐことができます。
東京都教育委員会は、平成27年度に実施する都立高等学校入学者選抜における実施方針において、共通問題を使用する全ての学校において、原則、マークシート方式を導入することを明らかにしています。
OMRを導入する成果は、選択式問題の採点ミスが無くなるだけではありません。
選択式問題がOMRによって自動採点になれば、記述問題採点の点検時間を増やすことが可能となり、課題となっている「部分点のある記述式問題採点ミス」の減少も期待できるのではないでしょうか。
次回は、都立高入試からわかるOMRの成果(5)~記号選択式問題の採点において照合作業は不要~を解説いたします。