やはり、マリナーは、ロンドンで活躍したことが、一番重要なようです。
世界有数の、音楽消費地で、レベルの高い演奏家がたくさんいたこと、古楽の研究でも、世界有数だったことなどが、マリナーに味方したようです。 もともと、マリナーは、ヴァイオリニスト時代、朝はゲネプロ(リハーサル)、昼はレコーディング、夜はコンサートと、こき使われていた演奏家が、やる気をなくしていることに気づき、どうやったら、演奏のモチベーションを上げるかを、常に考えて実行していったそうです。 その結果、アカデミー室内管弦楽団結成に至り、バロックから古典派あたりのレパートリーで、最新の研究成果を反映させていきます。 室内管弦楽団自体が、当時は、60人ものオーケストラではなく、もっと少ない人数で演奏されていたことがわかり、あちこちで結成されていったものです。 アカデミー室内管弦楽団は、約45人、現在の、30数人まではいきませんが、新しさを出すのには十分でした。
この、モーツァルトの、40番は、ヴィヴラートは抑えられていないし、解釈としても、まだまだ、19世紀からの慣習が含まれています。 それでも、マリナーの、「やる気を出させる」指揮によって、今聴いても、十分な演奏です。 例えば、今、コンサートでこの演奏を聴いたら、やっぱり、拍手喝采、時には、スタンディング・オベーションする人もいるかもしれないです。 ’80年代後半以降は、影が薄くなった人ですが、重要な指揮者だったことは、間違いないようです。
やっぱり、貴重な録音ですね^^b