これも、エポック・メイキングな録音です。 1976年録音で、すでに、初演の資料はそろってたんですが、まだまだ、グローフェによるオーケストラ版で、聴衆が満足していた時期なので、何か耳目を弾くものが必要だったんでしょうか?
知生派指揮者マイケル・ティルソン・トーマスが、今でいう原典版を録音するときに、ガーシュインが最初に作った2台ピアノ版にさかのぼって検証します。それを、ガーシュイン本人が、両方のパートをピアノ・ロールに残していたので、使うことにして、オーカストラ・パートを削除して、ピアノ・ソロとして使い、原典版に忠実な編成のコロンビア・ジャズ・バンドを、ティルソン・トーマスが指揮して行われました。 ピアノ・ロールが、2台のピアノによる連弾のため、オーケストラなんて意識せずに、テンポが速かったり揺れがあったりしますが、それに、一生懸命ついていってるバンドの演奏が、ちょっとギャグっぽくて微笑ましいところもあります。 今でこそ、普通に演奏されてるオリジナル版ですが、こういう試みがあったから、知られていったんですね。
これも、時代を先取りしすぎたのかも。