定期演奏会のメイン曲、アークエンジェルズの曲紹介です👼🏻໒꒱
この曲は“ガブリエル(神の意志を伝える天使)”、“ラファエル(魂を導く天使)”、
“ミカエル(神の御前のプリンス)”、“ウリエル(時を司る天使)”の4人のアークエンジェル(大天使)たちの名が小題としてつけられた、4楽章で構成されています。
大天使(アークエンジェル)とはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神話に登場する「天使」の階級の一つで、天使の中でも神意を体現する偉大な天使という意味で大天使と呼ばれるようになったそうです。
曲中には下記の6つの古いグレゴリオ聖歌の旋律がモチーフとして取り入れられています。
第1楽章 "Ave Maris Stella"、 "Hosanna filio David"
第2楽章 "Si quaeris miracula"
第3楽章 "Ad Jesum accurrite"、"Parce Domine"
第4楽章 Kyrie from "Missa de Angelis"
美術館や教会の天井画を鑑賞する趣味を持つと語るチェザリーニが、長年温めてきた構想を自ら具現化したもので、
作曲家としての音楽的な興味とインスピレーションから生み出された作品です。
【第1楽章:ガブリエル~神の意志を伝える天使】
ガブリエルは、洗礼者ヨハネの誕生を予言し、聖母マリアにキリストの誕生を知らせた”優しい天使”として知られています。(受胎告知の絵画に描かれているのがガブリエルです)
反面、最後の審判ではラッパを吹いて死者を蘇らせ、反逆する天使たちへは激しい攻撃をする戦士となります。
曲は力強いティンパニの合図から始まり、ガブリエルのもつ二面性の性格が二つの主題で表されます。
ガブリエルの気性の激しい性格を表す第1主題と、対照的に穏やかでのどかな性格を表す第2主題が、入れ替わり立ち代わり現れて見事なコントラストを構築しながら、
力強くエキサイティングなエンディングをむかえます。
【第2楽章:ラファエル~魂を導く天使】
ラファエルは人間の心と身体と魂を癒してくれる天使として知られています。
また、死後の世界に魂を導くなど、さまざまな役割を担っています。
楽章全体にその性格が反映され、落ち着いた敬虔な雰囲気の音楽が展開されます。
曲は厳粛な高まりをみせた後、落ち着きを取り戻し、美しく静かに消えていきます。
【第3楽章:ミカエル~神の御前のプリンス】
“神の御前のプリンス”とも呼ばれるミカエルは、天の軍団を統率し、幾多の白熱する武勇伝を残した”戦う天使”として有名です。
この楽章は、神に反逆を企てたサタン(悪魔)の大軍に勝利したミカエルの好戦的キャラクターを表したパワフルでエネルギッシュな音楽で展開されます。
ミカエルの登場を彷彿とさせる緊迫感を伴う力強い序章のあと、戦いの場面のパワフルでエネルギッシュな主部に入ります。
途中、しばしの休息を挟みながら、元のエネルギッシュな雰囲気となり、力強く幕を閉じます。
【第4楽章:ウリエル~時を司る天使】
最後の楽章は忘れられた大天使ウリエルに捧げられたものです。
1545年にイタリアで行われたカトリックのトリエント公会議で、彼のことが言及されている“第四エズラ書”が正典から除外された結果、現在のカトリック教会において正式な天使の中には含まれおらず、”忘れられた天使”となりました。
しかし、トリエント公会議以前に描かれた多くのフレスコ画には天空を照らす光の支配者であり、時の守護者でもあるウリエルの姿が数多く描かれています。
この曲はゆったりとしたテーマが様々なパートに受け継がれながら展開していく様が、ウリエルの歴史的背景と、時をつかさどる天使としての役割を感じさせます。
曲は次第に荘厳華麗で雄大な雰囲気となり、永遠の時を感じさせるようなクライマックスをむかえます。
余談ながら…私もこの曲を推していた1人なのですが、
曲が好きすぎて一時期、毎日曲を聴いていました笑
グレゴリオ聖歌の旋律がモチーフになっているからか、天使が題材にだからか、はたまたチェザリーニ曰く“何かが天から降りてきた”というスピリチュアルななにかがあるのか
何回聴いても心揺さぶられ、胸がいっぱいになります。
私たちの演奏で皆さんにもそんな体験をしていただけたら嬉しいです
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