曲紹介ラスト

サガ・キャンディダです✩
「サガ・キャンディダ(=罰を受けるべきではない魔女)」は、ミュージカル「サタンの種」を基にした演奏会用組曲で、情緒豊かな7つの曲構成されています。ミュージカルの大筋は次の通りです。ある村で聡明で美しいエリザベスという女性に嫉妬した者によって、彼女が魔女であるという噂が広まりました。晴れぬエリザベスの嫌疑によって、娘カテリーネは恋人に結婚を拒まれてしまい、彼は別の女性との結婚を決めてしまうのです。それを知ったエリザベスが失望のあまり「魔法でヒキガエルにしてやる!」と口走ってしまったことで、エリザベスへ嫌疑が高まり晒し者にされます。母を救うために自分が魔女だと嘘をついたカテリーネは、魔女裁判の結果火刑に処されることが決まりました。エリザベスは、娘を救うためにこっそり入れ替わり、身代わりとして火刑に処され亡くなってしまうのです。
第1曲:序章
処刑の朝のシーン。フルートの旋律は形を変えて三たび登場します。その後、旧約聖書から次の歌が引用されています。“miseserere mei deus secundum magnam misericordiam tuam(私を哀れんでください、神よ、あなたの慈しみによって)"(詩篇第51篇)無実の罪で処されたエリザベスに対する哀れみが感じられます。
第2曲:告発
テンポは急激に上がり、告発のシーンへ。「エリザベスは魔女だ!」と罵り囁く村人たちの声が聞こえるかのようです。
第3曲:純心(愛)
娘カテリーネとトーマスの愛が牧歌的な旋律で歌われます。二人の力強い愛と結ばれない切なさに胸をうたれます。
第4曲:タンゴ
トーマスの結婚を知り失望で狂うエリザベスの歌です。エリザベス本来の聡明さとはかけ離れた怪しげな旋律が奏でられます。
第5曲:サバト
サバトとは悪魔崇拝または魔女の集会のことです。魔女として捕らえられたカテリーネを囲って異教徒的で異様な宴が繰り広げられていきます。
第6曲:死
むせび泣くようなフリューゲルホルンのソロに始まる葬送行進曲。「罰せられるべきでない魔女」の死への哀れみ・やるせなさが感じられます。
第7曲:転生
悲運にもエリザベスは亡くなってしまいますが、その魂が清いものに生まれ変わるようなイメージで組曲は締めくくられます。また、この曲はミュージカルの終末だけでなく冒頭の曲でもあるので、魔女騒動を終え元の平和に戻っていく村という印象も与えます。
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