曲紹介も今回が最後です!最後を締めくくるのは、演奏会の第3部で演奏するメイン曲、『交響曲第1番 指輪物語』です![]()
この曲はイギリス人作家J・R・R・トールキンの長編ファンタジー小説『指輪物語』を題材に、オランダ人作曲家のヨハン・デ=メイによって作曲されたものです。
小説『指輪物語』のあらすじは、主人公であるホビット族のフロドが、邪悪な魔力を持つ指輪を棄てるために仲間達と旅に出るというものです。交響曲は5つの楽章で構成されており、楽章を追うごとにストーリー展開がなされています。
第1楽章:魔法使いガンダルフ
ガンダルフとはフロドと共に旅に出る物語の主要人物で、偉大な魔法使いであり賢者でもある人物です。この楽章ではその偉大さや高潔さが描かれており、中間部では馬に乗って疾走するガンダルフの様子が表現されています。
第2楽章:エルフの森 ロスロリアン
妖精エルフが暮らすロスロリアンの森では、高雅なエルフのテーマや神秘的な森の様子が表されています。後半部ではフロドがエルフの王妃に過去と未来を映し出す鏡を見せてもらうシーンが描かれ、フロドの不安げな心情が描かれています。
第3楽章:ゴラム
指輪の魔力によって邪悪な心と身体を持つことになったゴラム。ゴラムの狡猾さ、不気味さ、すばしっこさと言った特異な様子が、ソプラノサックスのソロをはじめ、トロンボーンのソロなどで表現されています。
第4楽章:暗闇の旅
フロドをはじめとする旅の仲間たちが、地下都市で敵たちと戦う様子が描かれています。戦いによってガンダルフが闇の底に落ちてしまい、ガンダルフへの追悼の意を表すような一行の重い足取りで締めくくられます。
第5楽章:ホビット
争いを好まず、酒とたばこを愛する楽天的なホビット族のテーマです。彼らの楽しげな様子と併せて、勇敢さや気高さといったものも描かれています。最後はフロドたちがガンダルフと共にエルフの船に乗り、西の果ての国へ旅立っていく様子が静かに表現され、曲は幕を閉じます。
『指輪物語』は数年前に映画化され、話題にもなりましたよね。私は小説は途中で挫折してしまいましたが、映画は3部作とも観ました
特にPart2、Part3はDVDで何回も観たほど、その壮大なストーリーに引き込まれました。仲間との絆や友情、自分の弱さと向き合うことの強さなど、いろいろなことを教えてくれる奥が深い作品だと思います。演奏を聴いて下さるお客様に少しでも物語の素晴らしさや臨場感を伝えられるように、あと2週間頑張りたいと思います
ちなみに・・・この作曲者ヨハン・デ=メイって聞き覚えありませんか??実は昨年の定期演奏会で演奏した「ダッチマスターズ組曲」の作曲者でもあるんですよo(〃^▽^〃)o2年連続で彼の曲を演奏するなんて、何やらご縁がありそうです
そしてさらに、実はこの交響曲『指輪物語』は20年前の定期演奏会で演奏したことがあるんです!その点については、近々特別企画としてブログを更新するつもりですので、どうぞお楽しみに♪
以上、4回に渡って曲紹介をお届けいたしました。文面だけでは分からない曲の素晴らしさをお届けしますので、4月29日はぜひ生の演奏を聴きにいらしてください
担当:のぞみ