※フィクションの部分もあります。あと、現代の言葉を使っています。
ご了承下さい。
枕草子物語<4>
秋乃 : 「私が気になったのは第200段なんやけど、秋の様子が書かれてるの。 『台風の翌日は普段とは違い、しみじみとしている』」
清子 : 「え? ちょっと待って。 秋の様子って、台風って夏と違うん? だって、この間も大きいのが来たやん。 迷走台風やったっけ?」
秋乃 : 「うん、これ文章を読んでみるとよく分かるのよ。 さっきの続きね。 『衝立や垣根などが破損している上に、庭の植え込みもたいそう無残な姿になっている。 大きな木々も倒れ、枝などが折られているのが、萩や女郎花などの上に横たわり、被さっているのは、全く想定外の事態である』って。 萩とか女郎花って秋の七草やん?」
みんな : 「へぇ、そうなんや」
秋乃 : 「私、誕生花が女郎花やし」
一美 : 「そっかぁ。 秋乃って秋に生まれてるもんな。 で、他には何が書かれてたん?」
秋乃 : 「うん。 17.8歳の女の子のことが書かれているんやけど、『夜の風のせいで眠れなかったのか、薄い色の夜着のまま外を眺めている。 髪がつややかで、毛先もススキの花穂のよう。 折れた枝などを集めている子供の姿を眺めながら、簾(すだれ)に寄りかかっている後ろ姿が風情がある』って書かれてた」
一美 : 「なんか、私らとは同い年と思われへんぐらい、大人な感じがしいひん?」
秋乃 : 「うん。 そうやろ? 私もそう思った。 なんか、清少納言って、台風の荒々しさを書いているかと思ったら、台風とは全く関係のない女性の美しさを入れるって、うーん、うまく言葉に出来ひんけど、すごいなって思った。 以上、私の発表を終わります」
秋乃が席に座ると、みんなが大きな拍手をしました。
清子 : 「秋乃ありがとう。 では、最後、京(みやこ)お願い」
ということで、グループ最後の発表へと続きます。