短編小説「京のおんな」枕草子物語<3> | 京こね☆ニュース

京こね☆ニュース

京都の小ネタ・ニュースばかりを集めた「京こね☆ニュース」!
2024年は ”京都こねたクイズ” 1日1問クイズに挑戦!!

前回までのお話は↓から。
 
 

※フィクションの部分もあります。あと、現代の言葉を使っています。

 ご了承下さい。

 

本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本

 

枕草子物語<3>

 

 第1回目の意見交換会から数日後、第2回目が開かれました。

 

 清子 : 「一美、前回の宿題はしてきた?」

 

 一美 : 「うん。 清少納言は15歳ぐらいの時に結婚してるんやって」

 

 みんな : 「うそ~」

 

 一美 : 「ビックリやんな。 で、その翌年ぐらいに男の子を産んでる。 でもな、その後、離婚してるらしいねん。 あんまり詳しい年代とか分からへんかったんやけど、小さい頃に自分の子供と別れてたら、余計に子供に対する執着とかあったん違うかなぁって思った」

 

 グループのみんなが納得したように頷き、そして拍手がおきました。

 

 清子 : 「うん。 一美の調べたこと良かったよね。 じゃあ、次は蛍(ほたる)お願い」

 

 蛍 : 「私が調べたのは、第43段・虫の段で~す」

 

 みんな : 「やっぱり!! 蛍は虫好きやもんなぁ」

 

 蛍 : 「清少納言が好きな虫は、鈴虫・ヒグラシ・コウロギ・キリギリス、そして蛍! みの虫のことについて書かれているところなんて、すっごい面白いねん。 『鬼が生んだので、親に似て気性が恐ろしいのはかわいそうだから、みすぼらしい着物を着させて、秋風が吹いたら迎えに来るよ。 それまで待っておれ。 と言って置いて行ってしまった。 だけど、それを知らない子供は、8月になると、父よ父よと弱々しく心細く鳴くのが、すごくいじらしい』」

 

 みんなは唖然として聞いています。

 

 蛍 : 「ね!! 清少納言の考え方って面白いと思わん? みの虫のことを、そんな風に考えられるなんて! 私、憧れるわぁ」

 清子 : 「・・・・蛍。 みの虫のことは分かったから、他の虫については? 何か書いてないの?」

 

 蛍 : 「もちろん、あるよ。 今度はかわいげのないものとして、ハエとかアリが出てくるねん。 私はかわいげないとは思わないんやけどね。 特にアリについてはこう書いてあった。 『アリは大変憎らしいけれど、身軽なのは大したもので、水の上などを歩き回るのが面白い』って」

 

 一美 : 「今って、ヒアリとか問題になってるやん。 やっぱり、清少納言の時代から、アリって憎らしい存在やったんやなぁ」

 

 蛍 : 「ホンマやなぁ。 1000年前も今と同じ虫もいたし、嫌われてる虫も今とあんまり変わらへんのやろか。 以上、蛍の発表終わり」

 

 清子 : 「うん。 蛍の話も良かったね。 では、次、秋乃(あきの)お願い」

 

 第2回目の意見交換会はまだまだ続きます。

つづく

本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本 本

 

 

↓クリックお願いします。


人気ブログランキング