こんにちは、経堂どうぶつ病院です。
今回は猫の肺腫瘍についてお話しします!
前回犬の肺腫瘍についてお話ししましたが、猫の肺腫瘍も原発性と転移性に大別され、原発性よりも転移性の方が多くなっています。
猫の肺腫瘍の発症年齢は2~18歳齢と報告されており、犬に比べ若齢での発生も見られます。
多くが上皮性悪性腫瘍で、残念なことに75%以上で転移が認められています。
転移する部位はリンパ節、胸腔内、腹腔内の多くで報告されていますが、猫では指に転移する傾向があり、動脈内への腫瘍栓塞により形成されると考えられています。
最も多い症状は犬と同じように数週間から数カ月にわたる痰を伴わない咳!
指に転移した場合は跛行や患肢の疼痛が見られることがあります。
原発性肺腫瘍は診断された時点で既に進行している傾向や浸潤性が強い傾向があるため予後不良となる場合が多く、手術による外科治療が適応とならないことがあります。
外科手術で腫瘍を取り除いた場合の総生存期間中央値は115日との報告がありますが、リンパ節転移が認められたり、指に転移病変が認められる場合はそれよりも短くなる傾向があります。
ただし、術後の病理検査の結果で中分化型や低・中グレードと診断された場合は生存期間中央値が1年以上との報告もあります。
犬と同様に放射線治療や化学療法などの治療に関しては大規模な臨床試験が行われていないため治療効果ははっきりしていません。
原発性肺上皮性悪性腫瘍に対する化学療法の報告は限られており、主に外科手術後の補助療法と手術適応外となった場合に行われます。
ただし、現時点で使用される薬剤は人や犬の原発性肺上皮性悪性腫瘍の報告に基づいて選択されており効果が明らかになっていないのが現状です。
猫の肺腫瘍の治療は現在のところ外科手術以外は確立された治療方法はありません。
生存期間中央値もあくまで平均値であるためそれ以上に長生きする子もいます。
当院では少しでも苦痛のない状態で生活できる方法を提案できるように今後も最新の情報をアップデートしていきます。
3月からオンライン診療(相談)も行っておりますのでそちらもご活用いただけたらと思います。
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記事担当 院長