はあい!
カンヌ映画祭で坂元裕二が脚本賞を獲得した
「怪物」を見てきました。
高評価で、ほぼすべての伏線が回収される
緻密に計算されたシナリオ…!
自然と期待が高い状態で鑑賞しました。
結論としては、
うーん…
映画通の人達からは
「是枝監督の映画というよりも、坂元裕二の映画」
と評されているほど自分はわからないのですが…
『怪物』という強いモチーフ。
人間の中に誰しもが怪物性を抱えている、という映画なのかな?
と思ってみていると、
確かに、登場人物それぞれにそんなテーマが
伺えます。(特に、単独ヘアメイクをつけた田中裕子)
でも、掘り下げがなんだか弱いのかな、
というか、映画の後半でほぼ違う方向に話が展開して
そのまま終わるのです…
もう一つ、おそらく徹底して宣伝にのっからない戦略だったのでしょう。
カンヌで「クィアパルム賞」を取ったように
後半は完全な11歳の少年たちのお互いに惹かれていく様子を
描く映画でした。
なので、ラストはむしろ爽やかな終わり方なのですが
少年たちの気持ちの変化を描くにも、掘り下げが十分じゃなかったような…
なので、「怪物」「少年たちの初恋」という2大テーマを
扱ったゆえに、どちらもちょっと中途半端、
逆に言うと、単独のテーマだと既にさんざんありふれているテーマなので
それをうまくミックスしてエンタテイメント作品に仕上げた手腕が
やはり評価されたのかなあ。
ほんのりコメディタッチだった前半のシーンはいらないかなあ、と思ったけども(笑)。
とにもかくにも、世界の映画賞での受賞は
素直に嬉しいし、子役含めた俳優陣の演技が本当にすごい!
映画館で坂本龍一の美しい音楽と共に見ると
よりその世界観に浸れると思います。
それでは「MIND CIRCUS」や「無国籍ロマンス」(坂本龍一作曲)を
聴きながらSparklingなひとときを!