2022年のアカデミー賞作品賞を取った
「コーダ あいのうた」を見てきました。
アカデミー賞を獲ったから、
この後は大きなスクリーンでも上映するのかな?
映画としては
こじんまりした、愛すべき小作品という感じで、
誰が見ても、感情移入や感動ができる王道の作品。
基本は青春と家族の温かいストーリーです。
だから、個人的には好きだけど、
ここ数年の各賞レースの傾向からすると
作品賞受賞はちょっと意外でした。
玄人技が光る作品や、監督のこだわりが強い作品が
作品賞を獲る傾向があるのですが
(「ノマドランド」「パラサイト」「ムーンライト」「シェイプオブウォーター」)
今回は、映画の作りとしては比較的王道。
でも、この安心でいるハートウオーミングな作品は
今年だからこそ作品賞を獲るにふさわしかったのでしょう。
監督は、女性監督のシアンヘダー。
脚本も手掛けていて、アカデミー賞の脚色賞を見事ゲット。
俳優陣は、有名な俳優さんは出演していなくて
母親役のマーリー・マトリンが80年代に
「愛は静けさの中に」で主演女優賞を獲っているぐらい。
でも、各賞で助演男優賞を受賞した
父親役のトロイコッツァーのほか、
みずみずしさ満開の主演のエミリアジョーンズ、
ボーイフレンド役のフェルディアウォルシュピーロ、
印象的なメキシコ人の音楽教師などが
とっても素敵な演技で音楽が心に響く世界を作っています。
シンプルなんだけど、
細かいところで、ラストへの清々しい感動につながる仕込みがあります。
ここからはネタバレ感想になりますが…
・途中で音がなくなるサイレントシーンがある。
しかも結構長い
このシーンが作品賞の決め手だと感じた
・その前後で、父母の娘への視点が変わる
・ラストで、主人公が手話を交えて歌うことで、家族にも歌の世界が伝わる
・周囲の家と比べて明らかに年季の入った家(ここ、最後に気づきました)。
そこからボストンに向かう娘。残る家族。家族の人生、それぞれの人生。
王道といえるストーリーだからこその、
清々しい感動で、温かい気持ちになって帰れます。
アカデミー賞作品賞を取るには
ストーリーが読めてしまうので
小粒かもしれませんが、
こういう映画や俳優陣が評価されて、
ちょっと温かい気持ちになりました。
それでは、歌の力を描いた
サイレントシーンにドキっとしたことを思い出しながら
Sparklingなひと時を!