はあい!
当時はほとんど印象になくて、
その後も好きな曲の中には入ってこなかった
河合奈保子「ラヴェンダーリップス」。
秋にピッタリのこの曲をジャストNOW聞いていて、
ついペンをとりたくなったのでPCを開いたカイルです。
「ラヴェンダーリップス」
1985.10.3発売
初の1位を獲得した前作「デビュー」に続いての
林哲司作曲作品(作詞:売野雅勇 編曲:萩田光雄)。
一気にメロディが地味になったけど、
今聞くと、さすが林哲司。
シティポップスの枠組みで作られていて、
なんといっても奈保子の
優しく包み込むようなボーカルが
際立つ作品となっています。
シングルとしては作品自体が地味目なので、
セールスも急降下。
オリコン5位、ベストテン10位、トップテン5位
ということで、チャートアクションやセールスは
全シングルの中でも低いほうになりますが
大人になって聞くとその良さがわかる
典型的な曲だと思います。
仮にこの、穏やかで優しいメロディ、
林哲司のシティポップスを聖子が歌ったらどうなるんだろう…
と想像してみました。
多分、もっと(いい意味で)相手に甘えるような、
「私をかまって」的なニュアンスの曲になると思います。
典型的な聖子ソングで、女の子のほうが優位にたって
男の子を見ているような…
「キスして」というニュアンスの歌詞も、
”お願い”というよりも”誘ってる”ような感じになるのかな。
それはそれで、聖子の歌う「ラヴェンダーリップス」も違った曲になって、
より軽やかで、魅力的になっていたかもしれません。
一方、奈保子の歌う「ラヴェンダーリップス」は、
もっと相手や全てのことを包み込むような、
大きな母性のようなものを感じる歌唱になっています。
明るいイメージがある奈保子ですが、
この優しさや包み込むような菩薩的な点は
実は河合奈保子の魅力だと思うのですが、
この奈保子の人柄を表現していてるシングルって、
実はほかにないかも…と思いました。
後年の自作シングル「悲しみのアニバーサリー」や
「悲しい人」あたりはその雰囲気が漂うので、
奈保子はこういう優しい曲をもっと歌いたかったのかもしれませんね。
秋にちょっと寂しく感じるときに、
ぜひ聞いていただきたい1曲です。
それでは、奈保子のボーカリストとしての魅力が
もっと着目されるといいな、と思いながらSparklingなひと時を!