特別展「みんな大好き!近鉄電車のデザイン」訪問記〜その8 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

おらが街「東大阪市民美術センター」で今夏に開催された、特別展「みんな大好き!近鉄電車のデザイン展」を訪問した際の様子をお送りしています。



開業当時の大正初期には、他に類を見ないほどの革新的な技術を用いて、奈良線の前身「大阪電気軌道(大軌)」により建設された「生駒トンネル」について、ここまで触れて来ました。

新トンネルに切り替えられて60年以上経過した現在も、大阪方の坑口と「孔舎衛坂駅(くさえざかえき、大阪府東大阪市)」は遺されています。おらが街の貴重な歴史遺産です。出典①。


さて、本展示のはじまりには、他にも大変気になるものが鎮座していました。


「生駒トンネル」を含む、大阪上本町〜奈良間を大軌が1912(大正3)年、開業させた際に使用していたというレールでした。



製造は、開業年と同じ「1912(大正3)年」。
都合、110年以上前のレール。貴重なものですが、注目されるのは、それに記された刻印。


カーネギーは、アメリカ大手の鉄鋼メーカー。


製造年、1912年。ETは「Edger Thomson」。
現在、買収問題で話題に上がる「USスチール社」の、ピッツバーグにある主力の工場製。


縦線が11本で、製造は11月。


70は1ヤード当たりのポンド数を示す。1メートル当たり35kgに相当。20は独自の型番。


最後の「OER」は納入先。「Osaka Electronic Railway」の略、つまり「大阪電気軌道」です。

いまも昔も、鉄道で使用されているレールにはなにかしらの刻印が記されています。このように製造元、製造年、レールの型番や仕様、その納入先…などですが、それらからこのようにその出自を知ることが出来ます。



ところで、レールに記された刻印というと、この駅のことを思い出しました。「JR京橋駅(大阪市都島区)」、その環状線外回りホームです。

高架構造のこの駅ホームですが、この構造になったのは昭和初期のこと。近年、大規模なリニューアル工事が施されたのですが、どことなくレトロな雰囲気が漂っています。というのが…


ホーム屋根を支えている支柱に、展示と同じ古レールが使用されているということ。




実はこの駅ホームにも、歴史的に貴重な古レールが多用されているのでした。これは1928年製造のやはりアメリカ、ユニオン社製のもの。


明治から戦前までは、鉄鋼の生産は国産化が端緒についたばかりのことで、輸入に依存する大変な希少品でした。ですので、古レールといえど、このように再利用される例は多く見られました。令和まで残る珍しいケースです。



話しが逸れましたが、展示されていたこのレールも、その頃の貴重なアメリカからの輸入品。あらためて、歴史の奥深さを感じます。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「フリー百科事典Wikipedia#生駒トンネル」)