みなさんこんにちは。前回からの続きです。


今春あらたに開業した「北陸新幹線 金沢〜敦賀間」に初乗りかたがた、開業に合わせて限定発売されたチケットレス企画乗車券「乗ってみよう北陸 WEB早特21」なるきっぷで、富山周辺を日帰り乗り鉄した道中記をお送りしています。




ただいま「高岡駅(富山県高岡市)」。
「あいの風とやま鉄道」や「JR氷見線(ひみせん)・城端線(じょうはなせん)」が乗り入れる県西部の交通の要衝です。


時間が限られている日帰りの富山周辺乗り鉄旅ではあるものの、列車の接続は如何ともし難いもの。ありがたく駅周辺を散策しています。



さて、真新しい駅舎から地下街のある北口に出て来ました。
こちらが高岡の街の玄関口に当たるのですが…



おっ!路面電車です。ターミナルビルの中に乗り入れる、近代的な様相。車両も見たところ、低床式の最新型です。


ここに乗り入れているのは「万葉線(まんようせん)」という路線です。

注目されるのは、これを運行している会社の名前がそのまんま「万葉線株式会社」だということでしょうか。他には例が見当たりません。


「万葉線」はかつては「加越能鉄道(かえつのうてつどう)」という「加賀・越中・能登」を冠した、大変壮大な社名の会社による経営が長年なされていた路線でした。


富山湾口の終着「越ノ潟駅(同射水市)」で渡船を乗り継ぎ、対岸の「新港東口駅(同)」からは「富山地方鉄道 射水線(いみずせん)」に乗り換えが可能でした。

路面電車だけで高岡から富山市内まで到達出来るルートを形成していたといいます。射水線は1980(昭和55)年4月に廃線。出典①。


現在も終着の越ノ潟で行き止まりになった「加越能鉄道万葉線」ですが、その後に経営危機に陥ります。

加越能鉄道が、利用客の著しい減少と経営環境の悪化を理由に廃止とバス代替の意向を示したため、存続を願う高岡市と旧新湊市が中心となって2001年(平成13年)に第三セクター会社の「万葉線株式会社」を設立した。


2002年(平成14年)2月に加越能鉄道から事業譲渡され、同4月1日から新会社で正式に運行が開始された。路面電車運営のための第三セクター方式の会社設立は日本初であった。出典②。

そういったことで、高岡市はじめ地元の力で存続が果たされたという希少な路線なのでした。それだけ、昔から親しまれていた鉄道だったのですね。ところで、先ほどからホームの傍らに実に気になるものが。


「ドラえもんトラムで高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーへいこう」…あの、かの、ドラえもんです!



先ほど、改札を出たところの観光案内所にもこのようなものが置かれていました。

みんな大好き「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄氏(本名・藤本弘、1933-1996)はここ高岡出身の、日本を代表する児童漫画家。それにちなんだ記念館と、モニュメントなどが「万葉線」沿線にあるというのです。


ドラえもんはじめ、数々の人気漫画・アニメを世に出されたことは言うまでもないですが、高岡を訪れたかったのは、ドラえもんが目当てのひとつなのでした。





なにしろ毎日、藤子アニメが放送される中で小中学生を過ごした世代ですし、毎朝、朝日新聞のこれも、いまだに楽しみにしているくらいですので。これはまた、後日項で。朝日大阪朝刊2024(令和6)年9月3日付け。


次回に続きます。
今日はこんなところです。 

(出典①「国鉄監修 交通公社の時刻表 1979年3月号」日本交通公社発行)
(出典②「フリー百科事典Wikipedia#万葉線(企業)」)