今春あらたに開業した「北陸新幹線 金沢〜敦賀間」に初乗りかたがた、開業に合わせて限定発売されたチケットレス企画乗車券「乗ってみよう北陸 WEB早特21」なるきっぷで、富山周辺を日帰り乗り鉄した道中記をお送りしています。

ただいま「富山駅」。本題の「北陸新幹線」で降り立った、県の玄関口です。
今日はこの駅を起点にして、富山周辺をあれこれと乗り鉄しようかと思っています。


さて、新幹線改札を出てコンコースを右方向へ少し歩きますと、「あいの風とやま鉄道」の富山駅がありました。

新幹線が開業するまでは、富山をはじめ北陸三県へ鉄道でのアクセスというと「JR北陸本線」でした。
琵琶湖湖岸の米原(滋賀県米原市)を起点に日本海沿いに出て、敦賀・福井・金沢・富山を経由、直江津(新潟県上越市)までの353.8kmを有し、京阪神や中京地域と北陸を直結する、大幹線でした。出典①。

しかしながら「北陸新幹線」が金沢(2015年3月)、敦賀(2024年3月)まで延伸開業したことにともないJR西日本から経営分離され、県ごとに設立された第三セクター鉄道4社に移管されるに至りました。出典②。

「あいの風とやま鉄道」は、かつての北陸本線のうち、富山県内の区間を継承した会社です。
区間は、石川県境の「倶利伽羅(くりから、石川県河北郡津幡町)」〜新潟県境の「市振(いちぶり、新潟県糸魚川市)」までの、100.1km。

日夜問わず長距離の特急や急行が頻繁に走っていた大幹線から、第三セクター鉄道への転換後は、地域輸送に徹したダイヤの組成が図られているといいます。
ただ、それぞれのつながりが深いといわれる北陸三県。当然、相互の移動もあるというもの。
そのひとつが、この「北陸3県2Daysパス」というフリー乗車券。敦賀から越中宮崎(市振のひとつ手前、富山県下新川郡朝日町)まで、2日間乗り降り自由でおとな2800円。
分社化されても、長大なかつての北陸本線を彷彿とする乗車券です。特典もいろいろあるようで、長距離移動や、のんびり各駅停車の旅をするにはもってこいです。
「あいの風とやま鉄道ファンクラブ」の案内。
ファンクラブ会員には会報の送付の他に一日乗車券の贈呈、県内文化施設への入場優待など。
我がこととして公共交通機関に愛着を持って、普段から利用しようとするのは、双方にとってこれ以上ないウインウインなことに違いありません。とても、素晴らしいことだと思えます。


その「あいの風とやま鉄道」の改札を入りました。新幹線ともども、立派な設えです。


富山駅がこのあたらしい高架駅に切り替えられたのは、2015(平成27)年4月のこと。
北陸新幹線が長野から金沢まで延伸開業(同年3月)し、北陸本線が「あいの風とやま鉄道」に転換された直後。はじめての高架駅です。

1〜3ホームに上がって来ました。新幹線ホームともども、広々とした開放的な構内です。
この在来線ホームには、第三セクターに転換されたことで飛び地になっている「JR高山本線」も乗り入れていて、岐阜・名古屋方面に向かう「特急ひだ号」も、一日4本発着しています。

1番線では、すでに列車が発車待ちしていました。これが「あいの風とやま鉄道」の車両。
JRから移管された鉄道、ということもあり、それに準拠した仕様のものが使用されています。
大阪で見かける環状線、関空・紀州路快速のそれによく似た顔つきです。天王寺・大阪にて。


(出典② 同2024年3月号 )