みなさんこんにちは。前回からの続きです。


暫定ながら、ついに完乗を果たしたJR東日本の全路線。シリーズの続編ということで、引き続き「キュンパス」を使い、北東北からあちこち寄り道しながら、帰阪の途に就く旅日記をお送りしています。



旅は第2日目(2024年3月12日)。
最後に残った未乗区間の「東北新幹線 新青森〜八戸間」に乗車。そのまま乗車して盛岡駅で「はやぶさ10号」を途中下車したところ。

念願の岩手みやげをたくさん買い込み、ここからは「はやぶさ108号 東京ゆき」に乗り込みます。途中下車したのはこれが盛岡始発の列車でしたので、指定席が空いているためです。


ところで、今回のような乗り鉄の旅先から帰阪しようとする時には、いつもといって良いほど思い出すくだりがあります。

「行く時は用事はないけれど、向うへ着いたら、着きっ放しと云うわけには行かないので、必ず帰って来なければならないから、帰りの片道は冗談の旅行ではない」


数々の小説、随筆を世に出した作家、内田百閒(うちだ・ひゃっけん、1889-1971)が記した代表作「阿房列車」、その最後の一節です。

岡山出身で、夏目漱石(1867-1916)の門下生としても知られる百間は、多忙な大作家でありながら、昭和20〜30年代にかけて、北海道を除く全国各地の鉄道を思いつくまま乗りまくったという、生粋の乗り鉄でした。出典①。


その旅道中が「阿房列車」シリーズとして刊行されたもの。

用事もないのに鉄道が好きというだけで乗りまくることにも実は意味があるものだ、と、道筋を立ててくれているように感じます。乗り鉄のわたしにとっては、安堵?するくだりがまさにそれなのでした。余談でした。出典②。


乗り込んだ「はやぶさ108号」は、ほどなく発車。定刻、9時06分でした。


盛岡の街が遠ざかって行きます。
渡るのは「雫石川(しずくいしがわ)」。


岩手山が見守る、風情ある盛岡の街。
今回はわずかな途中下車でしたが、次回はゆっくり時間を取って、家族旅行で来てみたいものです。また、冷麺も味わいたいですし…


さて、予約の際にはがらがらだった指定席。
せっかくですので良席に座ってみたいもの、ということで、わたしにあてがわれたのはこの座席でした。ちょっとした、秘密基地然です。


10両編成、全車指定席の「はやぶさ108号」。東京方の先頭車、1号車がそうなのでした。

長い鼻があるがゆえ、客席はわずか7列しかないという、運転台がついているこの車両。


最前部の扉から入りますと、なぜか窓が塞がれています。トランクなど、大型荷物を置けるスペースが設けられているのですが、その真後ろの2人掛けシートがそれなのでした。


荷物スペースがありますので「2番」ですが、なんだか気分が良いものです。


前に座席がないので、足元は大変ゆったりしています。さらに、この大型テーブル!パソコンを持ち込んで仕事をするには、持って来いですね。遊行中ですので、やりませんが(苦笑)


東京まで、約2時間の旅がはじまりました。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「フリー百科事典Wikipedia#内田百閒」)
(出典②「JTB時刻表 2024年3月号」JTBパブリッシング発行)