みなさんこんにちは。今日の話題です。


「岡山〜出雲市間」を走る、JR西日本の「特急やくも号」。山陽と山陰を連絡するという重要な役目を果たす特急列車です。

1982(昭和57)年の電化から40年以上にわたりその「やくも号」として走り続けて来た「381系」という車両が、後継の新型車両投入によりついに定期運用から外れることになりました。


それを記念して、復刻された旧塗装を模したレンタカーが走る!という記事を見つけました。朝日大阪夕刊 2024(令和6)年6月13日付け8面(社会面)より。よく出来ていますね。


「381系」は、カーブの多い沿線をスピードを落とすことなく走行出来る「振り子式車両」として知られています。現在では貴重な存在なのですが、それにも増して注目されるのが、旧国鉄時代からの車両だということ。

令和もはや6年になり、各地に多数残存していた旧国鉄型車両も次々と姿を消しつつあるのですが、「やくも号」の主力として走るこの「381系」はその最後の砦でした。


かつては「しなの号」「くろしお号」などとしても活躍したこの名車も、いよいよ勇退を迎えることになりました。



「NHK列島ニュース」2024(令和6)年6月14日、鳥取局昼のニュースより。

沿線の名撮影地で行き交う「381系やくも号」の最後の勇姿をカメラに収めようとするファンでごった返す、というニュース。


「やくも号」は、時代によって塗装が大きく変更された経緯があるのですが、勇退を記念してかつて登場した塗装をすべて復刻して、実際の営業列車として走らせています。


その中でも、最も人気を博しているというのが1982(昭和57)年デビュー当時の塗装、いわゆる「国鉄色」にされているもの。

いや、懐かしい塗装です。よくよく観察すると運転台付近に「jnrマーク」が。これは「Japan National Railway」、つまり「日本国有鉄道」、国鉄車両だということを示したシンボルマーク。これもイベントの一環に復元されたものです。


長い間、携わられていた沿線の駅長さんがインタビューを受けられていましたが、これが走る「伯備線(はくびせん)」の看板列車というと、
やはり「381系やくも号」。思い出は関係者の方々にとっても、特別なもののようです。

今日は、わたしも度々乗車し、思い出のあるこの「381系」に乗り、兵庫・但馬地方に家族旅行した際の記事を再アップして、往年の活躍を偲びたいと思います。2014年8月2日記事より。


みなさんこんにちは。前回からの続きです。
「JR西日本」で発売されている「たじまフリーきっぷ」という、期間限定の格安フリーきっぷを使って、家族旅行で但馬へ向かっているところです。
 
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さて、大阪駅8時14分発の「特急こうのとり1号 城崎温泉ゆき」は、4分遅れで大阪駅を発車しました。車内はざっと席が埋まっている状態で、朝一番の列車ということもあってか、まずまずの乗車率のようです。
 

ところで、この「特急こうのとり1号」に充当されている車両ですが、いわゆる「国鉄形車両」の「381系」という車両でした。出典①。
 
実は「こうのとり号」には、最新型の「287系」という車両も充当されているのですが、それを知るヨメハンは「どうせなら新型の方がいいのに」などと言っておりました。
 
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お察しのように、わたしとしては、「せっかく乗車するのなら」、「今や貴重な国鉄型の車両・381系」の方がいいに決まっています(苦笑)
 
という訳で、車内をあちこち観察して見ました。金属の地肌むき出しの客用扉や…
 
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いわゆる「国鉄書体」の残るくずもの入れ表示。「たばこのすいがら云々」とありますが、JR西日本の在来線特急列車は全て禁煙となってから久しいものです。
 
と言うことで、ひとりで感動していました♪
 
大阪からは「JR宝塚線・福知山線」を北上。途中の「篠山口」あたりまでは大阪・神戸への通勤圏で電車の本数も多いのですが、以北は単線となりまた本格的な高速化がなされていないので、カーブやそれに伴う減速が多くなります。
  
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列車は「兵庫県」からいったん「京都府」に入ります。

大阪を出て1時間40分ほど、車窓にこの立派な山城が見えて来ました。「福知山城」です。
 
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右側からは、京都からの「山陰本線」の線路が接近。
 
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ほどなく、立派な高架駅に到着しました。
 
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9時49分、京都府北部最大の都市である「福知山」に到着。ここは、昔から交通の要衝として重要な役割を果たして来た駅です。
  
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停車時間が7分あるのでいったんホームに出てみます。乗務員さんが交代するようです。
 
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さて、さきほども述べましたが、わたしがいま乗車している「特急こうのとり1号」に充当されている車両は、国鉄時代に製造された「381系」という車両です。

車内のみならず、車外のあちらこちらにも、いまや貴重な「アナログ感」を感じます。
 
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この「381系」は「振り子式電車」と言いまして、急なカーブでも速度を落とすことなく走行出来る「振り子式台車」というものを搭載しています。すなわち、この「381系」が投入されている線区は「急カーブが多い線区」である、ということが共通しています。
 

最初の車両は「名古屋駅」から「塩尻駅(長野県)」までの「中央西線全線電化」に合わせ、従来のディーゼル特急を置き換える形で、昭和48(1973)年「特急しなの号」に投入されました。先頭はパノラマ構造に改造されたグリーン車。
 

その後は、紀伊半島を走る「紀勢本線」の「新宮(和歌山県)電化」に合わせ、やはり従来のディーゼル特急を置き換え、「特急くろしお号」として昭和53(1978)年に登場。


また岡山から鳥取・島根連絡のディーゼル特急が走っていた「伯備(はくび)線」に「特急やくも号」として昭和57(1982)年に、やはり置き換え目的で投入されました。
 
先ほども少し述べましたが、「車体を大きく傾ける」ことで急カーブでも高速運転することが出来、「しなの」「くろしお」「やくも」など、いずれの列車も、従来の車両より「大幅な所要時間短縮」が実現しました。


車体傾斜が従来設計の車両よりあまりにも大きいため、登場当初は「乗り物酔い」する乗客が多発、各座席のポケットには飛行機さながらに「エチケット袋」が用意されていたようです。
 
ただ、この「こうのとり」では「振り子式機能」はロックされているとのこと。
 
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さて、またまた「車両チェック」です。
従来に比べて「パンタグラフ(集電装置)」が大きい気がします。
 
これは、振り子式機能を十分に発揮させるためには「車両重量、車高を出来るだけ車体下部に集中させる」という「振り子電車」の特徴に由来しているものと思われます。
 
それよりなにより、塗装が旧国鉄の「特急車両標準色」であることがうれしいですね。


「こうのとり」に充当されている車両は、かつて「くろしお」に使用されていたものだそうですが、塗装は「くろしおオリジナルカラー」に施されていたものを、「こうのとり」に転用するに当たって、わざわざ登場当時の「国鉄色」に戻したそうです。以上、出典①。
 
新型車両の投入が進むのでしょうが、当面はまだ、この形式の活躍が見られそうです。
 
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「福知山駅」に戻ります。ホームの時計には「イメージキャラクター」のイラストや…
 
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高架のホームからは静態保存されている蒸気機関車が見えたり。
  
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ホームの端には、ここ福知山から天橋立や宮津、舞鶴方面に向かう第三セクターの「北近畿タンゴ鉄道(KTR)」の車両が見えました。
いま話題の観光列車「くろまつ」号でした。
  
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そうこうしていると、「こうのとり」の反対ホームに、京都からの「特急きのさき1号」(福知山止まり)が入線して来ました。こちらは新型の「287系」でした(^^)v
 
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この「きのさき」と同一ホーム上で接続。大変利便性がいいですね。このように乗り換えが伴っても特急料金は通しで適用されるそうです。
 
発車が迫って来たので、「こうのとり」に戻ります。「きのさき」からの乗り換え客を待ち、2分ほどで発車。
ここからは「山陰本線」で北へと向かいます。
 
次回に続きます。
今日はこんなところです。



定期列車としての運行は今日で終了するとのことですが、一部の編成は多客時の臨時列車として運行されることもあるのだとのこと。

他の特急電車にはない特殊な「振り子式」を採用し、過酷な運用を40年以上にわたって看板列車として走り続けた「381系」。その活躍に拍手を送りたいと思います。長い間、お疲れさまでした。2017(平成29)年3月、岡山にて。

(出典①「フリー百科事典Wikipedia#国鉄381系電車」)