みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年3月、期間限定で発売されたJR東日本全線乗り放題の企画乗車券「キュンパス」で、その北東北の未乗線区を乗り鉄しようと旅した際の様子をお送りしています。



旅の第1日目(2024年3月11日)。「キュンパス」を利用してのこの旅、スタート地点の「仙台駅(仙台市青葉区)」にやって来ました。

北へ向かう「こまち11号」までは40分ほど余裕があるということで、構内を散策しています。



6番線にやって来ました。ここは太平洋岸を南下して東京方面に向かう「常磐線」のホーム。

発車待ちしていたのは「10時14分発 特急ひたち14号」。なんと「品川ゆき(東京都港区)」です。仙台駅で見かける、首都圏直通の在来線!


JR東日本オリジナルの「E653系」という特急車両でした。オレンジ地が明るい雰囲気です。



「特急ひたち号」というと水戸や日立、いわきなどから東京方面に向かうもの、というイメージが強いのですが、一日3往復のみ、それらを遥かに越えたここ仙台発着の列車が設定されています(今春のダイヤ改正で運行時間帯は変更)出典①。


この14号、仙台を10時14分発。
福島県に入り、太平洋岸の主要都市にこまめに停車。そういった需要があっての運行がなされているということが時刻表から窺い知れます。


いわき(12時18分発)からはそこ始発の便が加わり、1時間あたり1本の頻度になります。

高萩(12時51分発)からは茨城県に入り、日立、勝田、水戸(13時26分着)などと停車。
最後にはノンストップで上野まで至り、「上野東京ライン」で、品川14時51分到着。


全体の所要時間は、なんと4時間37分。

始発・終着駅だけ見ると、速くて頻発している「東北新幹線」と完全に重複しているのですがこれほどの長距離を、時間を要して走破する在来線特急列車というものは今日、大変珍しいものになりました。


…「ひたち」の運行区間である品川駅 - 仙台駅間(373.9 km)は、JR東日本管内の在来線昼行特急列車では最長であり、JRグループの在来線昼行特急列車の中でもJR九州の「にちりんシーガイア」の博多駅 - 宮崎空港駅間(413.1 km)に次ぐ長距離である。

と、毎度おなじみ「フリー百科事典Wikipedia#ひたち(列車)」にはありました。


ところで、先日まで「サンダーバードで金沢乗り鉄」というシリーズをお送りしていました。金沢にて。


今春の「北陸新幹線敦賀開業」で敦賀までの短距離特急になった「特急サンダーバード」ですが、新幹線の延伸開業前の区間、つまり「大阪〜金沢間」でも、営業キロ数は267.6km。100km以上も違います。


大阪・京都から北陸へ直通するというのですから、こちらも長距離特急のイメージが強いのですが、それでも「仙台ひたち」には叶いません。大阪にて。


これに乗りますと、震災から復興を遂げつつある福島・浜通り地域を南北に縦貫することが出来る、ということもあるのですが、しかしこれは趣味的には全区間を乗り通してみたいもの。

貴重な長距離直通在来線特急ですので、これはまた次の機会に、ですね。


ところで、その「特急ひたち号」の隣に停車していたのは仙台周辺を走っている近郊型電車。

「東北本線」の列車ですが、このあたりでは特急の類は運行されないので、旅客列車はローカル輸送に徹しているという特徴があります。


側面から。車両はステンレス製で近代的ではあるものの、ホームから車内に至るまでにステップがあるというのが、地方を走る車両ならではだと感じます。嵩上げされていない、低いホームがまだまだたくさんある証。



いろいろと気になります。屋根上もそうです。碍子で嵩上げされているパンタグラフ。


さらに、その傍らにさらにたくさんの碍子と、そこに張り巡らされた、複雑な配線。大阪に居るとなかなか見られない、交流電車の大きな特徴です。このメカニックさがたまりません。 


仙台近郊のJR在来線は、すべて「交流20000V」の電圧で統一されています。唯一の例外は前回記事で取り上げた「仙石線(せんせきせん)」。




出自が私鉄の「宮城電気鉄道」だったので、私鉄主力の「直流1500V」のまま存置されているためです。仙台駅地下ホームにて。


普段ならば、見られない車両ばかり。
いよいよ、調子が上がって来ました(笑)


次回に続きます。

今日はこんなところです。


(出典①「JTB時刻表 2023年3月号」JTBパブリッシング発行)