みなさんこんにちは。前回からの続きです。

3月16日の「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消した、敦賀から先の「北陸本線」。




全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。


さて、ここは「野町駅(金沢市)」。

金沢にやって来た今回の日帰り乗り鉄旅その主目的「北陸鉄道(北鉄)石川線」の始発駅、ということをここまで度々述べてまいりました。


相当に長居をしてしまいましたが、いよいよ改札を入って来ました。

プラットフォームは1面、1線のみ。
2両編成がぎりぎりに停車出来る、なんとも地方私鉄らしい光景がそこにはありました。


先日記事でも触れましたが、発車待ちしていたのは「東急電鉄」で長年活躍していた「7000系」という車両。昭和39年、東急車輛製造。

日本初のオールステンレスカーとして知られているもの。コーポレートカラーのオレンジ帯が引かれてはいますが、独特なシルバーの車体は往年の東急時代を偲ばせます。



車内のこのあたりの設えも、東急時代のまま。昭和30年代からの雰囲気を感じられます。


では、いまから乗り鉄しようという「石川線」についていま一度触れておきたいと思います。

金沢市内中心部の南西のはずれ、犀川(さいがわ)を渡った「野町駅」を起点に、霊峰「白山」の玄関口「鶴来駅(つるぎえき、石川県白山市)」までを結ぶ、延長13.8kmの路線です。グーグル地図より。


もともとは、白山麓で産出される木材や木炭、たばこ類を金沢市内へと輸送する目的で開業したというのですが、現在では自然豊かな白山の山々に訪れる足として、そして開発が進む沿線の金沢市内への交通機関としての任が大です。


しかしながら、乗客数の減少が近年顕著になり存廃問題がクローズアップされたことがニュースにもなっていましたが、従来の鉄道の形態での存続が決まったといいます。

ユーチューブ「石川テレビ(フジテレビ系列)」ニュース、2023(令和5)年8月31日アップ。


13時05分、野町を定刻に発車。
閑静な住宅街の中の「野町駅」ですが、発車時刻が迫ると次々と乗客が乗り込んで来ます。

地方私鉄ではよく見かける光景ですが、この列車だけしてみると、そこまでがらがらではないような。


ただ、なにも考えずに心地よく揺られていますと、ここに来てようやく旅をしているなという気分になります。


これ、クーラーの駆体だとわかるのですが。後づけなのでしょうか。


さて、列車は野町から真西に進んだ後に、今度は大きく急カーブ。車内からでも、地図からでもその様子がよくわかります。


5分ほどで、急カーブの手前にある「新西金沢駅(金沢市)」に到着。行き違いホームの向こうに新幹線の高架が見て取れます。


「IRいしかわ鉄道 西金沢駅」に隣接していることから、この駅名になっているのでした(訪問時は「JR北陸本線」)。



先ほども触れましたが、もともとは貨物輸送に主眼を置いて開業した「石川線」。となると、JR(←国鉄)に接続することが必然的に求められていました。

線路をかなりの急さに曲げたのも、おそらくは乗客の市内連絡とともに、貨物輸送で国鉄駅との連絡を図るためだったのでしょう。


隣接する「西金沢駅」は「金沢駅」の一つ手前の駅ですが、商業施設が立ち並ぶ金沢駅周辺に至るには、ここで乗り換えるのが便利なよう。

そういったことからでしょうか、野町からのこの列車にも、20人ほどが乗り込んで来ました。
このような変遷というのは、興味深いもの。
先出しして「鶴来駅」構内のパネル展示より。


「新西金沢駅」を出てしばらくすると、徐々に車窓には新興住宅地と、緑とが混淆するようになります。見た感じ沿線は結構、宅地開発が進んでいるように思えるのですが。「曽谷→道法寺間(同白山市)」。



クルマだと、本数が限られる列車より便利なのでしょうね。あちこち旅して感じますが、それはここだけのジレンマではありません。

次回に続きます。

今日はこんなところです。