みなさんこんにちは。前回からの続きです。

「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消した、敦賀から先の「北陸本線」。


全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。





「JR金沢駅」から「北陸鉄道(北鉄)浅野川線」に乗ること20分弱。終着駅の「内灘駅(石川県河北郡内灘町)」に到着しました。

金沢の北にある郊外の町ですが、ベッドタウンとして近年、開発が進んでいるといいます。


さて、折り返しまでは少し時間があります。

改札を出ますと、車止めの向こうの公道から、駅構内を眺められる場所があることを思い出しました。9年ぶりに、この場所に立てます。


「北鉄金沢駅」から乗車して来た「03系」。
「東京メトロ(←営団地下鉄)日比谷線」で平成年間に活躍していた車両、ということはここまで述べて来た通り。

金沢にやって来るに当たり、諸改造とともに、車体側面にはコーポレートカラーのオレンジ帯が入れられたのですが…


ホームに面していない側線に留め置かれていたこの編成。くだんの帯がない、東京メトロ時代そのままの菅田。


まだ、改装前なのだろうかと思ったのですが、アンテナもついていますし、運転はなされているよう。


昭和の終わりから平成のはじめにかけて登場した車両、ということで、デザインは現在でも十二分に通用するものだと感じます。


台車はボルスタレス。
軽量化が図られている、高性能なもの。


さらに、床下を観察すると主電動機は「VVVF制御」と呼ばれる方式のものだとわかります。三菱電機製造。

省エネルギーに基づいた最新の設備ですので、中古車両といえど、近代化された内外装ゆえに
長らく、活躍してくれそうです。


ところで、車庫をはさんだ向こう側にも列車が留まっています。
先ほど、車内からもちらっと見えたもの。



「03系」の前に活躍していた「8000系」車両でした。やはりこちらも中古車両で「京王電鉄井の頭線」の看板車両だった、もと「3000系」。

ステンレス車両ですが、正面顔の上半分はブルーグリーン。FRPに塗装を施したものです。


「8000系」は、1996(平成8)年と1998(平成10)年の二度に分けて、京王電鉄から「浅野川線」にやって来た車両でした。

従来の車両の老朽化が進んで、代替車両を導入しなければならない時に、京王で廃車が進んでいたことから、実現した譲渡でした。


地方私鉄としては使いやすい車長に、腐食しないステンレス製。さらに冷房装置もついていると、条件がうまく揃っていました。割出にて、前回訪問時の2015(平成27)年11月撮影。

俗っぽい言い方をしますと、タイミングが合致した「うまい出物」だったようです。



ちなみに、カラーがオレンジではなくブルーグリーンだったのは、最後に残ったこの車両の京王電鉄時代を偲んで、復元がなされていたからでした。運が良かったです。出典①。



ただし、元車両も昭和30年〜40年代の製造と、代替しないとならない時期に差し掛かっていたことから、これまた東京でちょうど廃車が進んでいた「03系」を確保することが出来たのだそう。全部で5編成10両が置き換えられました。出典②。



前回訪問時と、同じ場所から。
顔ぶれが一気に変わってしまったのには、久々に乗り鉄したわたしも驚きました。


ただ、第二の人生(車生?)を迎えられたのは趣味的には、とても興味深いものがあります。
末永い活躍を期待したいものです。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「北陸鉄道」ホームページ)
(出典②「カラーブックス日本の私鉄11 京王帝都」合葉博治・池田光雅共著 保育社刊 昭和56年12月発行)