来月16日の「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消す、敦賀から先の「北陸本線」。
全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。
眩しい朝日に見送られ、「サンダーバード1号」は大阪駅を発車。一路金沢へ、2時間45分の「北陸特急街道」の旅がはじまりました。
5分ほどで、淀川を渡った新大阪に到着。
本来であれば、新幹線で西方向からの乗り換え客が多数加わるのですが、岡山からの始発もまだ到着していない時間帯。
とはいえ、スーツケースを引いた商用客、観光客が次々乗り込んで来ます。
思えば、列車は増結された12両編成。関西と北陸路にそのような需要が高いからこその「サンダーバード」頻発運転だなと感じます。
新大阪を発車。まもなく流れる車内チャイムは「北陸ロマン」という楽曲。
「サンダーバード」や「北陸新幹線」のJR西日本編成で聴ける、味わいのあるものです。
この楽曲を作詞作曲したのは、シンガーソングライターの谷村新司さん。
「北陸新幹線 金沢〜長野間開業(2015年3月)」を期してJR西日本キャンペーンソングとして、氏が書き下ろしたものでした。出典①。
以降「サンダーバード」と「北陸新幹線(JR西日本編成)」では「北陸ロマン」が標準チャイムとなり、今日に至っています。出典②。
ところで、谷村さんとJR西とは、CM作品を通じてそれまでに深い関わりがあったのでした。
国鉄が分割民営化された直後から展開された「三都物語」キャンペーンがそれでした。
看板列車の新快速に快適なこの新型車両(221系)が投入され、京阪神間の所要時間がさらに短縮されるなど、特に平成年間に入ってから、競合する私鉄から多数の乗客が転移した頃でした。JR淡路にて。
新快速が結ぶ京都・大阪・神戸(三都)の情景が描かれたCMだったのですが、バックで流れる「三都物語」を作詞作曲したのは、やはり谷村さんでした。ユーチューブから、ご本人登場バージョンははじめて見ました。出典①。
余談ですが当時、中高生だったわたし。
221系や223系が走るシーンに「♪きのう きょう あ〜す 変わり行くわ〜たし〜」のサビの一節には、聴くたびに雰囲気のあるロマンチックな感じがして、こちらも大好きなCMでした。
賀来千香子さんはよく覚えていますが、内容はあまり覚えてません(苦笑)出典③。
さらにもっといえば、JRになる前の1970〜80年代に、一大ブームになった国鉄の全国的なキャンペーン、そのイメージソングで山口百恵さんが歌った「いい日旅立ち」も、谷村さんの作詞作曲なのでした。出典④。
思えば鉄道、なかんずくJR西にまつわる記憶に残る楽曲の数々だったように思えます。出典⑤。
谷村さんは昨年10月、74歳で逝去されました。
そういった経緯もあって大変ショックなことでした。新幹線敦賀開業が迫るいまですが、これからも残ってほしい名曲「北陸ロマン」です。出典⑥。
心から、御冥福をお祈り申し上げます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①https://youtu.be/njt7BdVuGVU?si=ptOW-jG7g-3cL6sH)
(出典②https://youtu.be/SrsrLLrKXao?si=_QxNW2K7fjEWdFT6)
(出典③https://youtu.be/5IHS3n1OLLo?si=yr_MOqDdjJC8qZLa)
(出典④「ソニーミュージックエンタテイメント」ホームページ)
(出典⑤https://youtu.be/3aGfGqlaX2g?si=NL0xXCzVorJhLlGL)
(出典⑥朝日大阪夕刊 2024年2月10日付 5面)