みなさんこんにちは。前回からの続きです。
来月16日の「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消す、敦賀から先の「北陸本線」。

全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。



ただいま、早朝の「大阪駅(大阪市北区)」。


すでに入線している始発の「サンダーバード1号」に乗り込むばかりですが、その前にアルバムを繰って見つけた過去の、大阪駅にまつわる写真を引き続いて見てまいりたいと思います。




さて、こちらはその南北連絡橋からつながるコンコース階。ホームを覆う大屋根の真下に当たります。2016(平成28)年3月、8年前のこと。

やはり、11番線へと降りて行きます。



この日記録に残そうと、11番線を訪問した目的というのは「特急ワイドビューしなの号」。
列車の名称通り、長野駅に向かうものでした。

春のダイヤ改正直前のことと記憶しています。


ここからは、手元の「JTB時刻表 2016年3月号」より。巻頭には「北海道新幹線 H5系」が!



この年のJRダイヤ改正、その目玉はやはり「北海道新幹線 新函館北斗開業」。


新青森止まりだったものを延伸したものですが、青函トンネルを通り、ついに新幹線が北の大地に上陸したのでした。乗りたいなあ。大阪からですと、飛行機になってしまうので…



さて、本題の「特急ワイドビューしなの9号」。


もともとは、名古屋駅発で長野駅まで運行される中部地方の特急列車ですが、観光地も沿線に多いことから、長年にわたり大阪発着の便が1往復だけ設定されていました。



大阪駅の表示で見る「中央本線」の駅名。
新幹線ではなく、在来線の直通列車でこれらに向かうという事実が、大変印象に残るもの。


大阪を出ると、新大阪・京都・米原と停車。その先は「東海道本線」で名古屋へ向かいます。



木曽路の深い山々を連続するカーブやトンネルで抜け、信州へ。松本13:04、長野13:53着。


もともと京阪神から信州への直通列車は、観光需要から夜行も含めて複数の列車の設定はあったのですが、徐々に消滅。

最後に残った、この「しなの9号」もこのダイヤ改正で名古屋発に短縮されることから、大阪発着が廃止になったのでした。


「しなの9号」が発車していたのは、まさにいまわたしが居る11番線。春シーズンということもあってでしょうか、2両増結で信州へ旅立って行きました。「383系」という、JR東海オリジナルの特急車両です。

長野駅までは、約5時間という長い旅路。


これ以降今日まで、沿線へは新幹線で名古屋まで行き、そこで「しなの号」に乗り換えることになるのですが、時間を少々要しても、乗り換えの有無というのは多少なりとも列車の存在意義だったのかも知れません。

JRにとっては、難しいところなのでしょうが。



ところで、この同じダイヤ改正では、この列車も運行が取り止めになりました。

京阪神方面から「大垣駅(岐阜県大垣市)」に向かう快速列車です。大阪にて。


同じ時刻表より。上り(東京方面)は夕刻に姫路や網干(兵庫県姫路市)を快速列車として出発、米原(滋賀県米原市)に20時過ぎに到着。


そこから先も「東海道本線」に進むのですが、米原はJR西日本とJR東海の境界駅。つまり、これもJR会社を跨いで運行されていた列車なのでした。グーグル地図より。


一日3往復が設定され、上りは夜間帯の運行。


快速は12両編成という、京阪神地区では最長のものでしたが、米原で切り離されて大垣に行くのは4両のみ。

ただ、姿かたちがまったく異なるJR西の車両が、異なる会社に乗り入れ、岐阜県まで足を延ばす妙は趣味的には大変興味深いものでした。


そして下り(大阪方面)は、これの折り返しで早朝時間帯に連続しての運行。そういったことで、この大垣直通列車は通勤・通学列車としての性格を持つものでした。



さらにこれの最初の列車(姫路ゆき)は、あの有名な、東京駅からの夜行快速列車「ムーンライトながら」に接続していたことでも知られていました。


わずかな接続時間に、座席を確保しようと乗り換え客が必死に走る「大垣ダッシュ」を受けていたのが、まさにこの列車なのでした。


JR発足後、分割民営化された各会社を跨ぐ在来線列車は「ブルートレイン」はじめ、平成半ばあたりまではかなりの数が残されていました。


民鉄とは異なり、長距離旅客の需要を見込んだものだったのですが、新幹線の開業や、複数の会社に跨ること自体が手間になったのでしょうか。急激にその数は減って行きました。



殊に、JR化後には各社独自のモチーフ、デザインを全面に押し出した、フラッグシップ車両が次々に登場。


それがもともと所属しているエリアを超えて、

まったく異なる地域に顔を出すおもしろさ。

これも趣味的には醍醐味を感じるものでした。



思えば、大阪駅からまったく先へ進んでいません(汗)さまざまなところに飛ぶ話しにおつきあいくださり、至極恐縮でございますm(_ _)m


いよいよ「サンダーバード1号 金沢ゆき」に乗り込み、北陸路へと旅立ちます。


次回に続きます。

今日はこんなところです。