企画展「振り返ろう懐かしの千里万博の時代」千里ニュータウンを訪れる〜その43 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。1970(昭和45)年開催の「大阪万博」で活躍した、万博を巡る千里の鉄道を中心にした交通機関についての企画展「振り返ろう懐かしの千里万博の時代」訪問記をお送りしています。



半年の会期中に、総入場者数約6220万人を数えた、先の「大阪万博(日本万国博覧会)」。


その万博会場の西口に直結する形で設けられていた「阪急千里線 万国博西口駅(大阪府吹田市)」について、あれこれと掘り下げています。出典①。



ところでここからは、先日から度々項に登場している別の催事から。以下、出典②。

阪急うめだ本店(大阪市北区)で昨夏に開催されていた「鉄道模型フェスティバル2023」。
毎年夏休み中に行われている人気行事ですが、昨年のものは、この阪急電車による万博輸送についての展示がいくつかありました。



大阪・京都・神戸と宝塚方面を結ぶ阪急電車。
万博開催に当たっては、会場の西側を走る「千里線」に本題の「万国博西口駅」を設置。

さらに、会場から東に数キロの「南茨木駅・茨木市駅(同茨木市)」を起点に系列の阪急バスの他、共同で京阪バスや近鉄バスによるピストン運行を行い、観客輸送に当たっていました。


そんな中で、本題の「万国博西口駅」を活用しての輸送は、極めて多様な系統での運行がなされていたようです。以下、毎度おなじみ「フリー百科事典Wikipedia#阪急千里線」より。


1970年に千里丘陵で開催された日本万国博覧会の期間中は、観客輸送のため当時会場最寄り駅として臨時営業していた万国博西口駅へ向けて臨時列車群が運行された。そのうち、運用上特記されるものを記す。


エキスポ準急 
梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 北千里駅間と地下鉄堺筋線(現在のOsakaMetro)動物園前駅 - 北千里駅間に設定されていた。

停車駅 梅田駅発着:梅田駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 吹田駅 - 関大前駅 - 南千里駅 - 万国博西口駅 - 北千里駅 


いまの準急とは、停車駅が異なりますね。
特筆すべきなのは現在、各駅停車のみの千里線で通過運転を行っていたことでしょうか。出典③。


さらに、前年の12月に開業したばかりで、同時に相互乗り入れを開始した「大阪市営地下鉄(現在のOsakaMetro)堺筋線」へも直通運転。

動物園前駅発着:動物園前駅 -(この間各駅に停車)- 天神橋筋六丁目駅 - 淡路駅 - 吹田駅 - 関大前駅 - 南千里駅 - 万国博西口駅 - 北千里駅


エキスポ直通 
万国博会場から神戸線・宝塚線に直通した列車で、十三駅の引き上げ線でスイッチバックしていた。運転区間は万国博西口駅 - 十三駅 - 宝塚線宝塚駅間と万国博西口駅 - 十三駅 - 神戸高速線高速神戸駅間であった。

停車駅 宝塚線発着:万国博西口駅 - 南千里駅 - 関大前駅 - 吹田駅 - 淡路駅 - 十三駅 - 曽根駅 - 豊中駅 - 石橋駅(現在の石橋阪大前駅) - 池田駅 - 川西能勢口駅 - 雲雀丘花屋敷駅 - 宝塚駅 

神戸線発着:万国博西口駅 - 南千里駅 - 関大前駅 - 吹田駅 - 淡路駅 - 十三駅 - 園田駅 - 塚口駅 - 西宮北口駅 - 六甲駅 - 三宮駅(現在の神戸三宮駅) - 花隈駅 - 高速神戸駅



梅田・地下鉄堺筋線直通を主にしつつ、宝塚線や神戸線から直通列車の設定もなされていたといいます。広大な路線ネットワークならではですが、これならばアクセスも便利ですね。


さらに、乗り入れ先の「地下鉄堺筋線」の車両に「準急」のヘッドマークが。先ほど触れた「エキスポ準急」の系統には、地下鉄の車両も動員されるほどだったといいます。

ちなみに「万国博西口駅」に行く列車の表示板には万博マークがついていましたので、どれに乗れば良いか外国人観光客などにもひと目でわかるという、ナイスアイディアなのでした。


…大阪市交通局(現在のOsakaMetro)車両も充当されていた。なお、この列車が他事業者の路線ではあるが、地下鉄車両が日本で3番目に優等列車として運行した事例であった。 

万博以降も、堺筋線と阪急京都線・千里線とをひたすら、各駅停車で行き来していたこの「60系」車両。デビュー直後にさっそく華々しい活躍があった訳ですね。貴重な姿です。出典①。



万博輸送の一翼を担い、長年にわたり千里ニュータウンの足となった「60系」。全車廃車されたのは、2003(平成15)年11月のことでした。


さて、企画展展示にも実に気になるものがありました。


阪急電車が発行した、記念乗車券の数々。



「英語表記のみの記念乗車券」とは、この種のものでも見たことがありません。それほど、万博が国際的なイベントであったことをあらためて感じるものです。

この時代からすると、斬新のほかありません。


ところで、あらためて千里の万博会場への鉄道アクセスを担ったのは、2つのルートでした。

先日まで辿って来た「北大阪急行(北急)〜大阪市営地下鉄(現在のOsakaMetro)御堂筋線」がメインルートで、その対になっていたのが今回取り上げている「阪急千里線〜阪急京都本線・大阪市営地下鉄(同)堺筋線」のルート。


中央口に直結する「万国博中央口駅」の前者、西口に直結する「万国博西口駅」の後者。


どちらも、万博会場から大阪市内中心部へ直通するものでしたが、実際のところ、具体的にはどのようなものであったのか。以上、出典④。



当時の時刻表を紐解きながら、そのあたりも含めて掘り下げてみることにいたします。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「日本万国博覧会公式記録写真集」日本万国博覧会協会発行 昭和46年10月)
(出典②「鉄道模型フェスティバル2023」阪急うめだ本店 パネル展示)
(出典③「阪急電鉄」ホームページ)
(出典④ 阪急電鉄公式ホームページ【阪急沿線おしらべ係 第22回】万博で活躍!幻の臨時駅)