阪和電鉄 昭和初期の面影 その115〜「カムカムエヴリバディ」安子と稔とるいの杉本町を歩く② | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

 
ただいま放送中、NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。
第6回放送(2021年11月8日)より。
史上初の、3人のヒロインが生きる100年の世代を描く物語ということで話題になっています。
 
ドラマ自体は岡山をメインにはじまりますが、初代ヒロイン・橘安子(上白石萌音さん)と、名家の長男で跡継ぎになる雉真稔(松村北斗さん)とが互いに絆を深める過程で登場する、大阪・杉川町(住吉区・杉本町がモデル)という街について、劇中の展開に沿って実際に探索してみようということをしています。
 
 
ところで、まだ学生の身ながら、長男ということで、家業・雉真繊維の跡を継ぐため、小さい頃からさまざまな教養を深めているという描写が、劇中で幾度も見られます。
 
 
勉学のため稔が通うのは「大阪にある商科大学の予科」という設定になっているのですが、モデルとなったのが本題の「阪和電鉄 杉本町駅」に隣接していた「大阪商科大学」。出典①。
 
それぞれ現在は「JR阪和線 杉本町駅」と「大阪市立大学(今年4月からは、大阪府立大学と統合され『大阪公立大学』となる予定)」です。
 
 
 
学校はさておいて?岡山に帰省した際に、はじめて出会った稔と安子。
 
夏休みの間にさまざまな出来事があったものの、下宿先の大阪へ戻る間際に、手紙を出してもよいかと、稔に涙ながらに覚えたばかりの英語で安子は尋ねます。
 
 
 
それから、岡山と大阪に居る二人は手紙のやり取りをはじめます。
 
 
 
安子と稔を結んだ最大の要素というのは、本作のテーマになっている「英語」と「ラジオ英語講座」、そしてジャズです。
 
これは後の「るい編」や、前回の記事でも触れた直近の昭和50年代の「ひなた編」に入っても一貫したテーマになっているのですが、まだまだ英語を学習すること自体が希少だった当時、安子は稔との愛情あるやり取りの中で、英語を触媒にして、惹かれ合うようになります。
 
 

しかし、時局はひたひたと戦争へ向かいます。

16歳になろうかという安子にも、ついに見合いの話しが出て、不本意ながら、家のためにこれを受けることにします。

 

 

そして最後に、大阪の稔に会いに行く…というのが、3回にわたって劇中に登場する「杉川町」の最初に当たります。1940(昭和15)頃です。

 

 
そういったことで、ドラマの面影を求めつつ、くだんの「杉川町」もとい「杉本町」を探索するべく、まずは「JR大阪環状線 天王寺駅(大阪市天王寺区)」にやって来ました。
 
ホームの向こうに見えるのは、すっかり大阪名物となったランドマーク「あべのハルカス」。
 
 
この駅までは環状線でやって来たのですが、シルバーにスタイリッシュな、このオレンジ帯の「323系」。
すっかり環状線の顔になった今日この頃です。
 
 
ところで、この編成には「大阪環状線60周年」なる装飾が施されていました。
はっと思い出したのですが、環状線が環状運転をするようになって60年、というニュースを幾度も昨年は耳目にしました。
 
 
「JRおでかけネット」ホームページより。
 
「環状線」と名乗っているのですから、環状線が丸いのは当然…と思うのですが、「大阪環状線」になったのは、先ほど触れたように61年前の1961(昭和36)年。
意外に最近のことなのに驚くのですが、それ以前はどんな形だったのか、というと…
 
 
この、安子が最初に大阪へやって来た時には、環状線が環状でないという!路線の西半分は建設すらされておらず、実にいびつな知恵の輪のような形です。出典①。
 
当時は東半分の区間を「城東線(じょうとうせん)」と呼び、大阪駅以西の「西成線(にしなりせん)」の桜島(同此花区)から京橋・鶴橋を経由、天王寺までの区間を直通運転するというものでした。しかしこの造形はなんとも見慣れないので、違和感ありありです(汗)
 
 
安子が大阪へやって来た時、おそらくは「城東線」、現在の「大阪環状線」に乗ったのでは、と思われます。なんだか、親近感が湧きます。
 
(出典①「阪和電鉄 沿線御案内」阪和電気鉄道 昭和11年)
 
次回に続きます。
今日はこんなところです。