阪和電気鉄道 昭和初期の面影〜その78「泉州を貫く軌跡 阪和電鉄全通90周年」展 Vol.35 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

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今日は、いまから149年前の1872(明治4)年、日本最初の鉄道が「新橋・横浜間」に開業したことを記念する「鉄道の日」です。

 

 
 

 

今日もお送りするのは、やはり!鉄道の話題です。テーマにちなんで、少し前の「JR阪和線」に関する日常光景から。

 

上から「103系」「205系」「113系」。

長年、第一線で活躍していた車両ですが、阪和線からはもうすべて姿を消してしまいました。

「浅香(堺市西区)」「我孫子町(大阪市住吉区)」「御坊(和歌山県御坊市)」にて。

 

 

府南部、和泉市(いずみし)の「弥生文化博物館」で、今年3月まで開催されていた「泉州を貫く軌跡 阪和電鉄全通90周年」という特別展の訪問記を、引き続いてお送りしています。

  

 
現在の「JR阪和線」を建設した「阪和電気鉄道」。
 
昭和初期の開業以来、人口希薄地だった沿線の開発によって定住人口の拡大を狙うとともに、和泉山地に近い、沿線の豊かな自然を活かしたさまざまな開発も、阪和は積極的に行っていた、というテーマを取り上げています。
 
 
 

ここでは、移り変わる四季に合わせ、沿線で展開されていたレジャーについて、展示から見て参ります。出典①。

 

 

昨日の秋の記事に続いては「冬の催し」です。

 

 

鮮やかな朱地に、羽を広げる鶴とは縁起が良いものです。

ここまででも、印象に残るリーフレットの数々ですが、この「初詣初旅」と標されたこちらのもの、秀逸なデザインだと、つとに感じます。

 

いつのものかと思うのですが、タイトルには「皇紀二千五百九十五年」。神武天皇の即位を起源とした、我が国独自の「紀元歴」を西暦で表すと「1935(昭和10)年」です。

 

 

昭和初期に興った阪和とはいえど、沿線には、霊験あらたかな寺社仏閣がたくさんあります。

 

この年の「巡礼割引きっぷ」を購入すると、日本武尊をお祀りする「大鳥大社(堺市西区)」のお守りが授与される、特典つきとのこと。

 

 

 

特に「国家神道」が推進されていたこの頃では

神社、また、皇室に縁のある御陵を参拝することも定番であったようです。

 

 
グーグル地図より。
阪和沿線の堺市西部を捉えたものですが、このあたりには大小の古墳が点在しています。
 
リーフレットには、ここで比較的近接する「反正天皇陵」「履仲天皇陵」、そしてあの有名な「仁徳天皇陵(大仙古墳)」の三御陵を巡るものが、大々的にPRされていました。
今日では世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」を成す大変貴重な史跡です。

 

 

他にも、現在でも地元で信仰を集める寺社はたくさんです。「大鳥大社」は、阪和線の車窓からでも、深い緑を仰ぎ見ることが出来ます。

 

 

ところで、阪和と直通列車の運行を行っていた「鉄道省紀勢西線(現在のJR紀勢本線)」沿線最大の名勝「南紀白浜温泉」への初旅も、この時期には「忘年会・新年宴会」にと、人気だったようです。

 

 

この別のリーフレットは、ちょっと興味深い視点から観光客を誘致しようとしています。

 

神戸・大阪・白浜、各地の平均気温を比較したもののようですが、鯨が泳ぐほど温暖な南紀、というので「避暑地」ならぬ、冬知らずの「避寒地」というのは、よく考えられたキャッチコピーです。

 

 

この頃には、阪和のみならず、ライバル南海からも南紀白浜への直通列車「黒潮号(現在の『特急くろしお』の源流に当たる)」が運行されていて、年末年始には増発便も設定されるほどだったようです。

 

 

やはり、こういった楽しみはいまでも変わらないものですね。出典②。

 

 

しかし、リーフレットには本当にさまざまな趣向が凝らされているなと感じます。

興味関心を持たせるのみならず、実際に沿線の施設に足を運ばせるには、多大な貢献があったに違いありません。

 

(出典①「阪和電鉄沿線名所案内図」阪和電気鉄道 昭和8年)

(出典②「南紀ノ楽園 白浜湯崎温泉」南海電車・阪和電鉄発行 昭和11年)

 

次回に続きます。

今日はこんなところです。