【再編集UP】阪和電気鉄道 昭和初期の面影「企画展 昭和の一大観光地砂川」と「砂川奇勝」 その6 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

(2018年5月15日アップ分を再編集・再掲)

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

先日よりシリーズでお送りしています、府の南部「泉南市(せんなんし)」の「埋蔵文化財センター」で開催されている「企画展 昭和の一大観光地砂川(すながわ)」と、そこで「一大観光地」と称された「砂川遊園・砂川奇勝(きしょう)」について取り上げるということをしています。

 

 

昭和初期に開業し、当時としては破格の設備・車両で以って、大阪・和歌山間の高速運転を最大の目標にしていた「阪和電気鉄道」。

それだけでなく、沿線に広がる自然を生かしたレジャー開発、観光客誘致にも力を入れるようになります(そのひとつが今回の企画展で取り上げられている「砂川遊園・砂川奇勝」)。

 

 

こちらは昭和初期の、開業まもない頃のリーフレット。

 

 

 

「松茸狩」「芋堀」「蜜柑狩」

殊に「松茸狩」に至っては、定食のメニューやその「指定山」の多さといったら!いまでは、いろんな意味ですごいもんですが…

 

 

また「東和歌山駅(現在のJR和歌山駅)」で連絡する、省線(現在の「JR紀勢本線」)とも連絡運輸・直通運転が行われ、沿線からはるか離れた「白浜温泉」への直通乗り入れ列車の運転、往復割引乗車券の発売がなされるなど、見ているだけでも楽しいものです。

 

 

 

 

 

この「阪和沿線」は、先ほども触れたように、当時としてはまだ開発が進んでいなかったところが多かったこともあってでしょうか。

展示でも、このように「ハイキング」「〇〇狩り」と銘打たれたリーフレットの多さが目に付きました。

 

 

そんな中、興味深いパネル展示もありました。

 

 

「広告件数からみた砂川周辺での花の名所」

 

「ツツジ、梅、桜、チューリップ、牡丹、萩」などとありますが、ここで記されている数値というのは「それら名所への観覧客誘致のため、阪和が当時の新聞でどのような内容の広告を出したのか?」というものでした。

 

 

 

当時の「大阪朝日」や「大阪毎日」などで、実に多くの広告を打っていたようです。

世の中の情報源を得る媒体としては「新聞」が実に絶大なウエイトを占めていた時代でしたから、これを見て、実際に自然を求めて(松茸を求めて?)沿線に赴いた層が多かったに違いありません。

 

「兎狩」「お月見」「摘草」…というのに時代を感じます。昔の人は、風情があったのだなと感じます。

 

 

ところで、先ほどの「松茸狩」の広告なのですが…現在の貨幣価値に直すと、いったいどれくらいの料金になるのか?気になります。


関係するホームページをあれこれ巡ってみたのですが、この広告が打たれた、昭和初期の物価と現在のそれを、かなり乱暴に比較してみると(基準:「喫茶店で提供されるコーヒー1杯」昭和10年頃…10~15銭 令和2年…400~500円 としました)、

 

 「山の定食(85銭)」→4000~4500円

 「松茸飯(食べ放題 20銭)」→1000~1500円

 「すき焼(かしわ40匁=もんめ。1匁は3.75g=・あしらひ=野菜類=付 65銭)」→3000~3500円

 

といったところでしょうか。

高級食材となったいまから考えますと、割合に廉価なようにも感じます。


しかし「かしわ(関西でいう”鶏肉”)40匁」とは、換算すると130gくらいなのですが

ちょっと少ないような(笑)

ちなみに、隣の「芋堀」の「入園料 5銭(芋2株付)」→200~300円くらいでしょうか。

これはお得ですね。

 

 

そんな中、沿線への乗客誘致を進める中で「阪和」が打ち出した、最大の「娯楽施設」というのが「昭和10(1935)年」に開設された「砂川遊園」でした。

では、今回の企画展の中軸に当たるその「砂川遊園」について、もう少し掘り下げて探ってみたいと思います。

 

次回に続きます。

今日はこんなところです。