みなさんこんにちは。
昨日に引き続きまして、「2025年大阪・関西万博」関連の話題をお送りしたいと思います。
朝日大阪朝刊 令和元(2019)年12月19日付け 8面(経済面)より。
こちらは、ちょっとトーンダウンな話題ですが…
万博、そして同じ大阪湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」で計画されている「IR(統合型リゾート)」 へのあらたなアクセスとして打ち出されていた、京阪電車の「中之島線(なかのしません)延伸」計画について、開幕前までの開業を断念する…というものでした。
「京阪電車 中之島線」とは、平成20(2008)年10月に、大阪都心部にありながらそれまで「交通空白地」と言われていた「中之島エリア」を東西に結ぶ新路線として開業しました。
開業当初は、この「中之島線」から京都方面へ直通する「快速急行」が新設され、この列車用に「3000系」という、最新型の車両も投入されるなど、大きな期待を集めるものでした。香里園(大阪府寝屋川市)にて。
ただし、従来の地下鉄駅と接続してはいるものの距離があり、終点の「中之島駅(大阪市北区)」でも他の路線と接続していない(ただし、2031年度開業予定で、梅田となんばを直結する「なにわ筋線」に「中之島駅」が出来る予定ではありますが)などの事情が重なり需要が低迷しているのが現状で、現在では、日中に「普通列車」が1時間当たり6本が発着するのみとなっています。
朝日大阪朝刊 平成30(2018)年2月15日付け 18面(社会面)より。
そんな「中之島線」が一躍脚光を浴びたのが、昨年に報道された「延伸計画」でした。
万博開催の正式決定、そしてIR構想を受けて、「中之島駅」が終点の「中之島線」をさらに西へ、「OsakaMetro中央線 九条駅(同西区)」、さらに「西九条駅(同此花区)」へ延伸させ、万博会場やIR、あるいは「西九条駅」から「JRゆめ咲線(桜島線)」で「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」、「阪神電車」で神戸方面などへの交通の利便性を向上させる、というものでした。
計画の中には、「九条駅」から「OsakaMetro中央線」へ乗り入れ、京都から万博会場に近い「夢洲(ゆめしま)」まで直通運転を行う、という壮大なものもありました。長田駅(大阪府東大阪市)にて、「中央線」に乗り入れる「近鉄けいはんな線」列車。
こちらもどうぞ↓
当ブログ
「京阪電車 中之島線を九条駅経由で西九条駅まで延伸構想」(2018年2月16日アップ)
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477864873.html
余談ですが、京阪ファンのはしくれのわたしですが、このあまりに壮大な計画には正直ビックリしました。
ただ昨今の報道にもありますように、IRの招致計画自体が全国の各自治体で綱引き状態な中、その正式決定がなされぬままでは新路線の工事には取りかかれない…という事情があるようです(府と市は万博開催前にIR開業を目指しているようですが)。
ただし、京阪としては万博輸送に対して、「中之島駅」を拠点にバスターミナルを設置し、京阪沿線からの観客輸送に当たりたい、という思惑があるようです。
ですが、多数の観客が押し寄せるであろう「万博会場」が設けられる「夢洲(地図中青い□)」への鉄道輸送というと、「OsakaMetro中央線」の「コスモスクエア駅(同住之江区)」からの延伸しか、現在では開幕までに間に合う現実的な策はないようで、市内各所からシャトルバスを運行するとしても、需要に対応出来るのかという点には不安を感じます。
(出典「近畿地方交通審議会」ホームページ「答申第8号 平成16年10月8日」より)
ところで、この答申は万博構想もなかった頃のものですが、「中之島線」をそのまま西進させ、USJ北側付近の「仮称・新桜島駅(同此花区)」まで「中之島線」を延伸させる…という計画もありました。地図中の「玉江橋」とは、現在の「中之島駅」に当たります(赤い⑩)。
「中之島~仮称・新桜島間」は10km近くあり、さらにJRや阪神電車とも競合するので、さすがにこれはないだろうに…と思っていた矢先の、建設距離も短く、既存の他鉄道とも結節が可能な、現実味の感じる昨年の「九条駅」「西九条駅」への延伸計画発表でしたから、驚きは禁じ得ませんが、恒久的ではない「万博輸送」だけとなると、やはり採算性などの問題があるのだろうかなと察します。
IRの開設には賛否両論ありますが、もしこれが大阪に誘致されるとなると、路線延伸計画もまた風向きが変わって来るのかも知れません。
今後の動向を注視したいと思います。
今日はこんなところです。