みなさんこんにちは。前回からの続きです。
福岡県「筑前・筑後」を巡るひとり旅、初日は「大牟田駅(おおむたえき、福岡県大牟田市)」駅前でレンタサイクルをお借りして、ユネスコ「世界文化遺産」に登録されたかつての「三井三池炭鉱」関連史跡を巡っています。
続いては、福岡県道3号線を西へ入ったところの「三井三池炭鉱 宮原坑」を目指しています。
「世界文化遺産」に登録されている、かつての大炭鉱都市・大牟田を象徴する史跡ということで、訪問するのを楽しみにしていました。
さて、その道すがら…県道を入った細い道路沿い、閑静な住宅地の真ん中を延々と、広々としたグリーン・ベルトが続きます。
前回の記事でも少し触れましたが、ここから「三井三池炭鉱 専用鉄道敷跡」が遺る区間に入って来ました。
今回、訪問している「大牟田」と、県境を越えた「熊本県荒尾市」一帯には、「三井三池系」の炭鉱が数多く点在していました。
主に、産出された石炭を輸送する目的でそれら炭鉱群と、有明海に面する「三池港(みいけこう)」、そして旧・国鉄線とを連接していたのが、両市にまたがり敷設されていた「三池炭鉱専用線」です。
先ほど訪問した「宮浦坑」、そしてこれから向かおうとしている「宮原坑」にもつながっています(現在地は赤い☆あたりでしょうか)。
地図を見てみますと「大牟田駅」付近から各坑道を結び、「海底坑道」のあった「三川坑(みかわこう)」を経て、「三池港駅」までを結んでいたのが「本線」(地図中赤い線)。さらに、そこからも多くの「支線」(地図中茶色の線)」が分岐していたようです。
明治初期の開業から昭和59(1984)年の廃止時まで、最盛期には実に総延長150kmを越える専用線が運用されていたとのこと。
現在は「JR鹿児島本線」に近い約1.5kmほどが、系列の「三井化学大牟田工場」の専用線として稼働しています。
沿道の案内板では、往年の専用線の様子も拝見することが出来ました。
「貨物専用線」というなかれ、写真にあるように多くの区間では複線・電化されており、「三井炭鉱オリジナル」の電気機関車が頻繁に行き来し、さらに炭鉱で働く人々やその家族もの輸送も行っていたそうです。
見る限り、一般の鉄道に比類するような立派な設備、車両だと感じます。
この「専用線」が「三井三池炭鉱」の発展に貢献した役割というのが多大なものだったことから、その廃線跡も同時に「世界文化遺産」に登録されたという次第です。
その「専用線跡」の一角に境界標を発見。
普段、街中でも見かけるものですが、そこには「文部科学省」と刻まれているではないですか。そういえば、日本では「世界文化遺産」を統括しているのは「文科省」だったなということをはたと思い出します。
いやしかし、これは鉄道趣味的には実に興味深いものが遺されているのだなと感心しきりです。
それでは、この「専用線跡」をたどりながら「三井三池炭鉱 宮原坑跡」 へ向かいたいと思います。
次回に続きます。
今日はこんなところです。