(ヤフーブログ 2019年4月7日アップ分)
みなさんこんにちは。前回からの続きです。
先月20日、開業から10周年を迎えた「阪神なんば線」開業について、その開業前後の様子をシリーズでお送りしています。この新線を介して、阪神電車と近鉄電車が相互乗り入れし、神戸と奈良とが直通運転されることになり、関西の鉄道において広域なネットワークが構築されたものでした。
さて、いよいよ迎えた開業の日、平成21(2009)年3月20日です。
こちらは「阪神尼崎駅(兵庫県尼崎市)」。
「この駅発の一番列車に乗ろう」ということで、早起きしてやって来た次第なのですが、時刻はまだ深夜の3時前。すでに駅構内では係員の方々が、一番列車の発車に向けてでしょうか、準備に当たっている姿が見られました。
改札や券売機の前では、時刻表や運賃表の貼り替えも行われていました。
駅前の広場で待つこと1時間半ほど。
午前4時20分頃になり、ようやく駅のシャッターが開きました。
この駅ではもともと始発列車が早いので、駅のオープンもそれだけ早いものなのですが、わたしと同じように一番列車に乗車しようと、また、発売されていた開業記念の商品を買い求めようとする人々でいっぱいでした。
「阪神なんば線」方面へ向かう「3番線」の行先案内。
今日から開業する「難波・奈良」の文字の他に「名古屋・伊勢志摩」というそれも見られます。
もちろん、後者への方面へはこの駅からの直通列車はないのですが、理論上ではレールはつながっており、乗り換えで到達出来ることからの表記なのでしょうが、実に壮大な表記だなと感心します(逆に「近鉄名古屋駅」では「神戸方面」という案内表記があったりします)。
発車案内を見ますと、さまざまな方面への行先があります。
都合今日からは、この駅は「大阪梅田・神戸・難波・奈良方面」への列車が発着する、重要な交通の要衝となりました。
ちなみに、大阪・神戸方面への始発列車は「午前4時36分」と、関西圏での始発列車としてはかなり早い部類に入ります。駅に隣接して車両基地があることが理由です。
「阪神なんば線」の一番列車は「午前4時50分発 近鉄奈良ゆき」。
ホームに上がって来ました。すでに始発の「奈良ゆき」が停車しています。
先ほど、駅構外からホームを眺めていますと、どうやら一番列車の発車に合わせて開業記念の式典が行われるようなので、反対側のホームからその様子を捉えてみようということにしました。
先頭の方向へ向かいますと…早朝にも関わらず、これはたくさんの報道陣や関係者の多さがすごいですね。新線開業への注目が高いことを感じます。
その反対側のホームでも、わたしを含めた鉄道ファンたちがいっぱいです。
一番列車の「奈良ゆき」に充当されたのは、開業に合わせて導入された、最新型車両の「1000系」という形式でした。
先頭車両には記念のヘッドマーク。
「神戸・大阪・奈良」という三都を結ぶことから、それにちなんだ絵柄なのだとのこと。
運転室の横には、おそらくは徹夜で作業に従事されていた工事関係者の方々がずらっと並んでいました。本当にお疲れさまです。
発車の10分ほど前、午前4時40分頃だったかと思いますが、記念式典がはじまりました。関係者によるテープカットの瞬間。いよいよ開業です。
一番列車の運転士、車掌さんに花束の贈呈。
こういった光景は実に華々しいものです。
一連の式典が終わったところで、「奈良ゆき」が発車待ちしている「3番線」に急ぎ移動します。先頭車両はすでに立ち客が出るほどでしたが、それ以外の車両は意外なことに、乗客はまばらでした。
当時、配布されていた「阪神・近鉄」双方の列車を掲載した時刻表。
これをあらためて調べてみますと…
一番列車は「各駅停車」ということで、終点の「近鉄奈良駅」までかなりの時間がかかっています。日中には直通の「快速急行」や、途中の「大阪難波駅」から「近鉄電車」線内のみ運転される「急行」や「準急」なども多数、設定されていましたので、普通列車に乗車しても途中で乗り換えることで、利便性は高そうに感じます。
それでは、こちらの「奈良ゆき」に乗車して、まずは「大阪難波駅」へと向かうことにします。
次回に続きます。
今日はこんなところです。