鉄道コレクション「阪神5201形(5203~5220)2両セット」を細見する | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。今日の話題ですが…
無事に入手出来たのはいいものの、まだしっかりと愛でていなかった手元の人気鉄道模型シリーズ「鉄道コレクション」を細見しようというシリーズ、またもその続編をお送りしたいと思います。
よろしければどうぞおつきあいください。

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今日、取り上げるのは「阪神5201形(5203~5220)2両セット」です。
青いボディが目に留まる、果たしてどのような車両でしょうか。

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パッケージ裏面には解説。
「ジェットカー」という文言が見受けられますが、大阪と神戸とを結ぶ阪神電車は並行するJR線や阪急電車に比して、短い間隔で駅が設けられています(大阪・梅田~三ノ宮・神戸三宮間で見ると、JR:15駅・阪急:16駅・阪神:32駅)。

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そんな中、特急や急行列車といった優等列車が高速で走ることが出来るように、こまめに停車する普通列車には高加速・高減速性能が求められました(普通列車が短い駅間で丹念にゆっくり走っていると、後続の優等列車の高速運転が困難になる)。こうした阪神電車ならではの路線状況に応じて登場したのが、高加速・高減速に特化した青い塗装の「ジェットカー」でした。

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モデルになった「5201形」は、昭和34(1954)年に登場した「ジェットカー」の最初の量産型タイプだったとのこと。中には、珍しいスキンステンレス製の「ジェットカー」も存在したそうです(「カラーブックス日本の私鉄12 阪神」廣井恂一・井上広和共著 保育社刊 昭和57年初版 より)

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それでは、昭和34(1959)年から翌35(1960)年にかけて製造された、この「5201形」を細見してみたいと思います。

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セットになっているのは、いずれも運転台が取り付けられている車両。
目に留まるのは、正面貫通扉でしょうか。斜めから見ますと、だいぶ奥まった位置に設けられているのがわかります。
これは、同時期に登場した他の阪神車両でも見られるもののようです。

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これを正面から。丸みを帯びた形状で、どことなく優しい顔つきです。
先ほど触れた貫通扉の他では、他社と比べて少々小ぶりな連結器にも目が行きます。

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この特徴的な連結器は「バンドン型」というもので、近年まで阪神電車ではごくごくポピュラーなものでした(出典同)。
「阪神なんば線」の開業(平成21年)で近鉄電車と相互乗り入れするに当たり、他社で幅広く使用されている「密着自動連結器(密着自連式)」などへ交換され、長年親しまれて来た他社では見られない「阪神独特のバンドン型」は姿を消してしまいました。

この再現もこまかく再現されていることに、ちょっとした驚きと嬉しさを感じます。

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続いて車体側面。
運転台側の屋根上には、大型の菱形パンタグラフがそれぞれ一丁ずつ。

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こちらは妻面側(つまめん、運転台がついていない側)。丸みを帯びている車体形状に、この車両が昭和30年代であることを感じさせられます。
前回取り上げた、稲妻を模した社章もしっかり再現されていました。

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続いて屋根上です。
先ほど述べたように、それぞれの運転台上には大型のパンタグラフ。そして、非冷房車ならではの通風器(ベンチレーター)が整然と並んでいます。
実車は、2両のユニットをふたつ繋げた4両編成で運用されていました。

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妻面をさらに観察してみます。

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いわゆる「切妻(きりつま、妻面がまっすぐな様を指す)」ではなく、妻面側も運転台側同様、丸みを帯びていることがわかります。現代の車両では、阪神のみならず他社でもその「切妻」が当然のようになっているので、この形式が製造された「昭和30年代」という時代背景をこれから感じます。

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最後に、恒例の?付属ステッカーを見てみます。

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「普通列車用車両」ということで、収録されている行先表示も普通列車のものです。そんな中、右端に「梅田⇔三宮」というものを発見。

阪神電車から先へと延びる「神戸高速鉄道」の開業(昭和43年)までは、神戸のターミナル・三宮駅(神戸市中央区)のひとつ向こう「元町駅(同)」が神戸方の終着駅だったのですが、線路容量の関係か、はたまたターミナル駅ということからか(折り返し線があるから?)「普通 三宮ゆき」の設定が当時からあったようです(現在でも数本が設定あり)。

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ということで、高加速・高減速を誇る「初代・量産型ジェットカー」こと「5201形」について見て来ました。特急・急行などに用いられていた赤い塗装(赤胴車)に対し、この普通列車「ジェットカー」の青い塗装をまとった車両は「青胴車」と呼ばれ、親しまれています。

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「赤胴車」はすべて新塗装に変わってしまいましたが、「青胴車」は新型車両の投入、あるいは塗装変更が行われる中でも、現役で活躍しています。

こまめな駅の設置で旅客サービスに努める阪神電車の象徴ともいえるこの「ジェットカー」。新型車両の導入もあり、従来から存在するこの塗装タイプの車両は、今後の動向が注目されるものです。

今日はこんなところです。